物事を考え始める時、考え終える時。欲があり、納得があります。
考えすぎる時、欲があり、納得がありません。
考えを終える動機や理由がない場合、考えるのをやめずに継続します。
行為は常に始まりと終わりで一つですが、終わりが長引くと行為として形作られないために、ストレスになり、疲れ、行動できなくなります。
考えすぎる癖をなんとか直したいものです。
私自身、幼い頃から考えすぎる癖があり、ある時に悟りました。
「もう直らない」と。
これはネガティブな理解ではありません。
「直らない」と同時に、「直すと自分らしくなくなる」というものです。
考えすぎる癖を紐解くと、捉え方を変えるだけで邪魔は味方になるかもしれません。
ここでは考えすぎる状態を洞察し、考えすぎる癖に対する一つの見方をお伝えします。
「考えすぎる癖は直さないでイイ感じ」
邪魔者をくせ者にし、くせ者を仲間にする一助となれば幸いです。
Contents
考えすぎる癖

考えすぎる癖のメリットとデメリット
考えすぎることには両面の見方がありますので、初めにそれぞれをご覧ください。
メリットは脳内認知の幅広さ
思考を巡らせる状態は、過去の記憶を網羅するように頭の中をビュンビュン飛び交います。
頭を使う経験となるため、回転が速くなり、記憶の整理が上手になり、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの能力向上に繋がります。
過去の記憶の細部に渡って把握し、より緻密に予想立てる先見性にも、先読み力の向上にもなります。
脳内を把握するように記憶を知り、脳の使い方を知ることができ、情報処理の許容が広がります。
デメリットは疲弊に彷徨い
頭の中を飛び交うように巡る際、思考に自らが翻弄されるとデメリットが出て来ます。
飛び交う速度に追いつけなくなり、脳内認知ではなく脳内彷徨いという真逆の状態になりかねません。
思考が頭の中をグルグル周り始め、考えているのではなく記憶を巡り、対処を逸脱して疲れ、ストレスを作ります。
思考する動機や目的を見失う可能性もあり、答えが出せずに行動できなくなります。
考えすぎる人のタイプと特徴
タイプによってメリット・デメリットの割合や度合が変わります。
- 思考過多タイプ
- 考えていないタイプ
一つずつ特徴を見ていきましょう。
思考過多タイプの特徴
考えすぎて行き詰まり、その状態を答えとしない認識の制限があります。
「自分のことは自分でやる」という認識があればあるほど、責任感が強くなると同時に自らを制限する縛りも強まります。
いくつかの目立った特徴があるので、一覧でご覧ください。
- 我が強い
- 自意識が強い
- 完璧主義
- 責任感が強い
- 自律意識
- 正否判断が多い
- 答えの枠組みを決めている
- 満足以上に納得を求める
- 自尊があるけど自信がない
- 頭の回転が速い
- 行動できる事とできない事の差が激しい
自らの核がしっかりしているために自意識がありますが、「自分」という存在をあえて認識しようとする意識があり過ぎて、他の意見に柔軟さや寛容さがなくなりがちです。
核となる自尊があるため、自らの能力や強みを持ちます。一方自信がないため、外側ではなく内側(頭の中)で世界を広げ、他者との関わりでは行動できにくく、自身との関わりでは行動力がありと極端に変わります。
考えていないタイプの特徴
もう一つのタイプは、考えているようで考えていない様が見られます。
頭の中を巡る状態が加速し、答えを見出すための考えではなく、答えがない状態を味わうための行き来となります。
脳内記憶の同じ場所を行ったり来たりと繰り返す様があり、いくつかの特徴があります。
- 思考がネガティブに偏る
- 本当は感覚派
- 思い込みが強い
- 甘えられない
- ルールが多い
- 我が強い
- 自己評価が低い
- ストレスを作りやすい
- 行動しない
- 答えを出すための思考をしない
考えているようで考えていないため、答えを出すための思考ではない特徴があり、同じ記憶の行き来を繰り返します。
行ったり来たりであるために、迷路を彷徨っている状態ではなく、自らが目を瞑っているというイメージです。
大きな特徴となるのが、脳の使い方と自分の在り方のギャップ。本当は感覚派で物事を考える知性以上に、体感や感受を生かした感性優位の可能性があります。
「思考を多用して頑張る」と少し無理した状態であるため、疲れやすく、ストレスを作りやすく、行動できなくなり、過去の記憶による自己縛りが強くあります。
考えすぎる時の頭の中
一度考え始めると脳内レースのように思考が走ります。
まるで飛び交う虫が頭の中を逃げ回り、捕まえられず、自らが自らに翻弄されます。
思考を始めるのは自分ですので、思考を終えるのも自分ですが、「終えたくない(または終えられない)何か」があります。
納得がない。
自分で納得できる結果がない。思考を終える意味がない状態です。
思考を始める際には動機があり目的があるので、何かを求める欲があります。欲が解消されないと思考を終える動機や理由がありません。
思考を止めない癖
「思考を終える意味?そんなの要らないよ」と言う人は、納得できる答えがなくても思考をパタと急停止できます。
「うーん、答えがでないなぁ。まいっか」という具合です。
考えすぎる人はこれが困難。自らが納得できる意味を理解しないと思考を止められません。
考えすぎる癖とは、思考を止めない癖とも捉えられます。
この癖になるのが、理論立てた方程式。枠組みに答えを入れるようにする価値観や認識の仕方、自己ルールの多さが考えられます。
考えすぎる時、「自分が納得できる答え」にフォーカスしている
考えすぎる時、柔軟性や受け入れ態勢が崩れている可能性があります。
私自身が考えすぎている時を内観すると、「自分が納得できる答えはどこだー、泣く子はいねぇかー!」と鬼の形相で頭の中をグルグルしている小さな自分がいます。まるで小鬼です。
この状態、他者の意見を受け入れず、「自分自分」という我が出ます。
答えが出ず、周囲の助けを受け入れない思考ができてしまうと、迷路の中で上を見ないという余裕がない状態となり、目の前の彷徨い道が残ります。
出口を見つけられればラッキーですが、自制がなくなればなくなるほどに彷徨いやすく、自ら首を絞めるように疲れてしまいます。
考えすぎる時の頭の中は、「自分が納得できる答え」にフォーカスして、周囲が見えない状態です。
イメージとしては、アニメやテレビなどを観る際に、作り手の世界に入るのではなく、自らの世界をキープしたまま他者の世界を観る状態です。
考えすぎる時とは?
考えすぎるのが癖になっている場合、考えるのが好きだったり、考えるのをやめられない価値観や人間性がありますが、考えすぎる時は共通してあることが起きています。
自分の意見がない。
自分の世界のみに焦点を合わせておきながら自分の意見がないと、考えすぎることが起きます。
自分の意見がない状態で自分を主張する状態が、考えすぎです。
タイプによって主張の意味が変わります。
- 思考過多タイプ:自分の意見がない+自分に自分を主張
- 考えていないタイプ:自分の意見がない+自分と他の両方に自分を主張
そんな考えすぎる癖、「ちょっと悪い所ばかりじゃない」という感じはありますが、ここから見方をコロッと変えていきたいと思います。
※考えすぎるタイプがわかりやすくなる話は、自分の意見がない人とある人の特徴|意見を持つ方法は遊びの創造 をご覧ください。
考えすぎる癖を直す?
考えすぎる癖を直すか否か
考えすぎる癖には二つのタイプがあるため、直すかどうかも二つに分かれます。
思考過多の場合、私の理解では直さないで、自分のものにしてしまうのが得策です。
考える状態に苦しみや辛さがある場合、考えているようで考えていないタイプの傾向があるので、その際には直すこと以上に、考える自分を見つめ直すのが得策です。
ここでお伝えしたい考え方は、こうなります。
思考過多タイプは、「考えすぎるこその自分」という捉え方をする
考えていないタイプは、考えすぎる概念から外れて自分を見つめる
詳細へ向かいましょう。
考えすぎるこその自分にする
思考過多タイプは、嫌でも考えてしまいます。
自尊があるため、考えすぎる自分を変えようとしても、真意としては変えたくないと認識している可能性があります。変わる必要はないと思います。
考えすぎる際に着目したいのは、自分の世界でのみ物事を見て答えが出ないこと。自律があり自分の意見を持つのに、自分の意見がない状態になっていることです。
考えるのが癖になっているので、常に自らの記憶や集めた情報を使用し、計算し、組み合わせ、投影し、照合し、枠に当てはめるように答えを出します。
まさに自分の意見を作る在り方です。
そのため、「自分の意見がない」という状態を考えもしない人もおり、信じられません。
自分を信じないと、頭に翻弄されて我が出て来ます。より自分を認識しようと、答えを見出せるように頭の奥深くへ行き、納得できる答えが出せなければ記憶や情報を巡り続けます。
考えすぎる癖を自分のためにするポイントは、納得できないと次に進まない自分を知ることです。
納得しないと行動しなくなり、考えすぎて何をしていたのかもわからなくなります。
この状態は将棋やチェスの答えを見出す時のようなイメージで、「絶対に勝てる手じゃないとささないよ」と言い張る自分になっていることをガチっと把握します。
すると、「それでは考えすぎるからどうしよう?」と次へ向かいます。
このステップ認知が最も重要だと私は理解しています。
「考えすぎるからどうしよう?」の次はルール作り
考えすぎて答えが出ず、そんな自分を認識した後は、人それぞれに選択肢が出て来ます。
- 自分では答えが出せないので他を受け入れる
- 自分で答えを出すためにルールを作る
答えが出ないのは自分の世界でのみ物事を認識していることが理由に考えられるので、そんな自分を一度手放します。
ポイントとなるのが、自分の見方を一切やめて、他の情報をそのまま認めます。他者の意見の中に入るように情報を得ることです。
例えば、テレビや映画を観る際に、自らの認識を全面に出して観ると考えすぎてしまいます。一切の我を持たず、映画の世界、作り手の世界に入るようにすると、自然と考えすぎは緩和されます。
どうしても自分の見方を手放せなくても問題はありません。自ら答えを出すためのルールを作る方法があります。
例えば、私がこの記事のように何かを書く際、他者の意見や情報を見てしまうと、自分が書きたいことがわからなくなり、考えすぎて疲れたり書けなくなります。自分の意見がなくなって行動できない状態です。
そんな時はルールを自ら作ります。
- 何かを表現する際には他の情報は見ない
- 考えすぎたら必ず一旦停止
- 考えすぎて書く手が止まっていたら、「今考えていることはわからない」と認識する
- わからない部分は調べるのではなく勉強する
- 初めに書きたいように書き、次に頭を使ってリライト(書き換える)
- 計4回リライトする
考えすぎる人は自律があるため、自らルールを作る意識を高く持つと、考えすぎることは邪魔にならなくなります。
答えが出ず行動できないことは、自らの認知を広げる機会となり、より脳内認知を広げるようにルールを作ると、考えすぎる癖はとても便利なツールになります。
考えすぎる癖を合図にする考え方です。
「10分以上考えたらストップ」
「ストップしたらわからないってこと」
「わからなければ勉強」などと決めておくと、頭の中を知るようにルールを作れるため、思考を終える納得ができ、行動動機も作れます。
考えすぎる癖はとても活用的で効果的な気づきのチャンスです。
※考えすぎるのを止める方法は、考え事が止まらない時におすすめ│何も考えない方法はフォーカスのめり込み をどうぞ。
考えすぎる概念から外れる
考えているようで考えていないタイプの場合、考えすぎている訳ではないと気づくことが直す以上に大切です。
「納得しないから考え続ける」なのか、「答えが出ないから不納得」なのか。後者であれば、「考えすぎると思う癖」ですので、考える行為以上に、答えが出ない時の自分に着目します。
ネガティブを嫌がる思考があると考えられるので、「考えすぎ」という概念からは一旦完全に離れ、「どうしてこんなに考えているのか?」の欲、思考する目的や動機を突き止めます。
思考内部を知ることが、考えすぎると思う癖を直すために大切で、自分の記憶を辿って考えているのか否か、考えているのか情報を巡っているのかなど、行為の自覚を増やすことが直す方法になります。
考えすぎる癖とは違い、「自分(頭の中)を知る」という意味合いが強い話です。
※頭の中の自分を知る詳細は、自分の感情がわからないのは契約に秘密│脳に居るもう一人の自分を知る をご覧ください。

考えすぎる癖 まとめ
考えすぎる癖がある場合には合図として活用し、より自分らしさを作ることができます。
考える癖であればネガティブなイメージはないかもしれませんが、考えすぎる癖も実はいいものかもしれません。
私は考えすぎる癖があるために、頭の中は考え事が年がら年中張り巡り、寝ている最中も考え事をしているために寝ているようで寝ておらず、いつでもどこでも眠かったりします。
頭の中の自分はペチャクチャと話をやめませんが、目を瞑るとそこには別世界があるように空想や妄想が広がり、想像力は飛躍されていきます。
もはや現実と空想の境目がなくなる時があり、目を開けると現実で生きていることを忘れている時すらあり、驚きます。
考えすぎると疲れる時がありますが、その際は「自分の意見がない状態」だと考えられます。
自らが考えすぎる状態を認め、合図として活用し、ルールを作ると、考えすぎることは楽しい世界を広げ、自己理解を広げる機会となり、想像力を高める日常的な経験になります。
良いこと尽くしです。
自分の意見がないことを認めずに主張が追加される場合には、疲れ、ストレスを作り、行動できないなどの抵抗が起きるので、頭の中を知りながら、思考に飲まれずに自らを保つ意識が重要になってきます。
「~しすぎる」というのは許容を越えたように思えますが、捉え方を変えると、脳内認知を広げるための機会作りとなり、より考えるための情報処理能力も広がっていきます。
気づけば考える状態に余裕ができ、より多くを考えすぎることができ、頭はどデカくなっていくことと思います。
ほどほどにという話でした。
それでは、考えすぎる癖の活用についてを終了します。
頭の中の自分を二人にして、心の中の自分を一人にして、三人。
今日は何して遊びましょう。
世界を広げる想像力を高めていきましょう。
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