好きなことを仕事にしたい気持ち、高ぶる好奇心に躍動感。
着々と過ぎていく人生、「変えるなら今だ!」と決めて行動する人は多いと思います。
実際に仕事にして数ヶ月後、好きなことは嫌いなことに成り変わっている可能性があります。
好きなことを仕事にするのは難しいです。
しかし、難しい理由を知ると、好きなことを仕事にする工夫を見出せます。
ここでは、難しさと楽しむポイントを見ていかれてください。
- どうして好きなことを仕事にするのは難しいの?
- 好きなことを仕事にする人の共通点とは?
- 好きなことを仕事にして楽しむポイントとは?
これらを紐解き、好きなことを仕事にする上での罠トラップを知っていただく内容となっております。
私自身の体験談や、出会った好きなことを仕事にしている人々の共通点を知ると、ある大切な在り方が判明します。
好きなことをして生きていくためにも、一つの考え方としてご参考になれば幸いです。
Contents
好きなことを仕事にするのは難しい

好きなことを仕事にするのが難しい訳
あらゆる縛りが解かれ、自由に生きていい時代、かと思いきや憲法に大きな看板がドンッ!
「勤労の義務」が私達には課せられています。
好きなことを仕事にする際、この縛りは私達の価値観や観念に大きな影響を与えているかもしれません。
「仕事はするものだ」という考えは常識、当たり前。むしろ仕事しないなんてとんでもないと思い、否定的で罪悪感すら感じる人もいます。
縛りは常に自らを抑圧させ、我慢させ、在り方をルール通りに矯正します。
好きなことを仕事にするのは素敵だと思いますが、「仕事はするものだ」という常識の基では、好きなことが仕事になると義務的な目的設定が起きます。
「生きていかなければ」
「お金を得なければ」
「お客さんを満足させなければ」
「責任を負わなければ」
‥‥
「~しなければ」というのが少し邪魔になります。
後ろから追われる状態になり、生きる、お金、価値、お客さん満足度、責任のために好きなことをしなければならなくなります。
何かに追われる時点で、これまでは楽しくて、気楽で、安心で、喜び、自分のペースでしていた好きなことや趣味は、全く別物に変わります。
誰かのため、義務感、社会従順、責任を負う。
好きなことを仕事にしようとした一番初めの躍動、興奮、期待、好奇心はどこかに行ってしまいます。
二ヵ月もすれば、好きなことは嫌いなことになっていたりします。
好きな絵を仕事にしようとギャラリーを開いたら嫌いになりかけた
少し私事ですが、上記の状態は私にも起きました。
絵を描いて販売しながら海外の旅をしていた私は、日本に来てから個人事業主として税務署に届出をして、小さなギャラリーを開きました。
築100年以上の古風な家の一画を借りて開いた小さなものでしたが、場所が観光地でギャラリーが周囲に少ないこともあって、お客さんが頻繁に来てくれました。
看板も自作して、内装したギャラリーでしたが、一ヵ月で嫌になって閉じました。
「絵が描けない!」
本末転倒。私は絵を売りたいのではなく描きたいんだと気づく出来事でした。
危うく絵そのものから離れてしまうところでした。
本当に好きなことか明確にする大切さがあります。
※好きなことがわからない時は、好きなことがわからない時│見つけようとしている自分を一旦ブン投げる をどうぞ。
仕事にするのを難しくさせるトラップ
好きなことには明確な目的があります。
自分のため、自己満足です。
自分のためにしているので好きであり、趣味のように喜びや納得など、自己利益になる行為です。
自己満足を目的にした好きな活動には、明確に主体性があります。
好きだから、楽しいから、主体的に能動的に行動して、自らに喜びを与えます。
他者のためが加わります。
仕事にすると自分のための行為に、自分主体だったのがコロッと変わり、根底から行為の本質が変わる可能性があります。
『自分の喜びのための主体的な行為』から、『他者に喜びを与えるための自分の喜ぶ行為』
少し複雑になってきます。
例えば、映画鑑賞が好きな人。自分のために映画を観ていたのが、他者を喜ばす(または収益を上げる)ために映画を観るようになります。
当初の映画鑑賞の目的が変わり、「生きるために映画を観ないと」「お金を貰うためにどうやって映画を観る?」「映画を観る責任があるんだ」と考え始めます。
好きなことや趣味が仕事になると、自分だけの行為に必ず他が加わるため、本来の行為の意味や目的を見失う可能性があります。
仕事にする目的を持つと、好きなことをする目的が薄まる
自分のための行為なのか、他者のためか、はたまたその場の環境のためか、社会のためか、地球のためか、動物のためか、[自or他のバランス]があります。
仕事は自らの価値を他に与え、見返りや恩返しが対価となる働きです。経済社会ではお金が価値(働き)の変換材料になっています。
好きなことを仕事にすると、価値やお金の概念が発生するため、「自分だけ」の認識に自然と「他」が介入し、本来の好きなことをする目的が薄まります。
「仕事にするぞ!」と目的が強ければ強いほど、好きなことの目的が薄まります。
何も悪いことはないのですが、「好きなことを→仕事にしたい」と好きなことをするのが主体で、その次に仕事になればいい動機の場合には、「あれ、私は好きなことをしたかったはずなのに…どうなってるの?」と思う日がやってきます。
当初の動機とは違うため、自らの行動を認めにくく、「全然好きなことしてないじゃないか?!」と否定的になって、辛くなったり嫌いになるかもしれません。
仕事にすると当初の目的が曖昧になり、自らのしたい行為が不明確になります。
目的をすり替えて見失いやすい点があり、仕事に対するルール縛りにて義務的な目的設定をしてしまう点が難しくさせます。
※仕事を楽しくする方法は、仕事が楽しいなんておかしいと思える大切さ【楽しむ方法は一つ】 をどうぞ。
好きなことを仕事にする際に知りたいこと
好きなことを仕事にする人の共通点
実際に好きなことを仕事にしている人はたくさんおり、私が旅している時には多くの出会いがありました。
出会ったみんなには共通点があり、好きなことを仕事にする目的を明確に持ち、仕事をなんだと思っているかの自分の意見と理解がありました。
特にわかりやすくなると思うので、出会った一人についてをご覧ください。
インドネシアの島で勝手にインフォメーションセンターを開く男
インドネシアの中には観光地として開拓中の、綺麗な海に囲まれた島があります。
私はあの島ほどサンゴ礁を泳いで見れる場所を知りません。浜辺から少し沖に泳げば美しいサンゴ礁だらけです。
そんな島で首都ジャカルタ出身の男性、ジョンと出会いました。
島について宿を探している時、とったて小屋の屋台のような小さなインフォメーションセンターがチョンとあるのを見つけます。
そこにいたのがジョン。
ジョンはジャカルタから毎年夏の間だけやってきて、インフォメーションセンターでツアーガイドや、レンタルバイクなどを扱って仕事しています。
「なんでこんなに小っちゃいの?」と尋ねると、「あぁ、勝手に作ったんだ、で、勝手にやってんの」と言います。
ジョンはとんでもなく寛容で、何を頼んでも、「いいよ」と言います。
島は観光地化している段階で、何でもかんでも値段も急激に上げようとしている時、自転車もバイクもレンタル料が異様に高いんです。
「ジョン、自転車貸して」
「いいよ」
「ジョン、ご飯食べに行こう」
「いいよ」
「ジョン、バイク貸して」
「いいよ」
レンタル品ですが、名前書いたり、保証金渡したり、なんにもありません。
値段が安く、さらに彼はいつも請求し忘れるので、こちらから払うと言わないとお金を渡せません。
ジョンは好きなことを仕事にする
ジョンはいつも同じTシャツと短パン、同じタバコを吸っている宇宙人のような風貌。頭が膨らんで大きく、体が細い、真っ黒に焼けた肌、屈託のない笑顔。
ジョンはジャカルタで仕事をしており、実は高級住宅を持っているお金持ち。夏の数ヵ月間は島にやってきて、好きなことを仕事にします。
ツアーを自ら作って、近くの無人島で三泊自給自足サバイバルツアーをしています。一週間コースもあり、船で参加者を無人島に連れていき、「じゃあね」と言って三日後に迎えに行く。
あとはボケーッとインフォメーションセンターで人と話し、釣りをして、タバコを吸って、出会う世界各国の人々とご飯を食べて楽しみます。
テキトーで気楽、めんどくさいと思うことはしません。
「レンタル代を払いたいんだけど」
「いくらだっけ?」
「たぶん五日間分かな」
「OK,じゃあ四日分ちょうだい」という具合です。
お金はちゃんと稼げているのか疑問でしたが、十分なお金はツアーやレンタルで入ってくるようで、常に心の余裕があります。
好きなことを仕事にする目的と、仕事する意味が明確
そんなジョンはジャカルタからのよそ者でありながら、お客さんがたくさん集まる人気者。
他のツアー会社から意地悪をされて、仕事を始めた当初は大変だったそうです。
ボートを壊されたこともあったそうですが、ジョンは自分の好きなアイデアで好きなツアーを継続するためにも、ツアー会社に乗り込んで戦いを受けて立ったそうです。
「そっちがその気なら戦ってやる、覚悟しろ!」と怒鳴り込み、少しの間は喧嘩も起きたそうですが、最終的には向こうが謝罪して無事に収まり、仕事できるようになったという。
「この島はお金のために観光客を利用するんだ。みんな金の亡者だよ」とジョンは言っていました。
「俺はみんなのためにツアーを開きたいんだ」と言うジョンは、常に自分が好きなことをするために、他者のことを考える認識をします。
好きなことを仕事にするために他者のことを考える。
ジョンにとっての仕事は、お金を得るためではなく価値を与える、その結果お金が入ってくることでした。
- 仕事は義務ではなく、自分がしたいからする働き
- 仕事はお金を得るためではなく、他に価値を与える働き
結果、ジョンの周りには常に人がおり、お客さんがおり、与えた価値の対価がお金として入っていました。
好きなことを仕事にする時、必ず意志がある
ジョンは人を想う人でしたが、他にも出会った好きなことを仕事にする人々は、明確になんのために好きなことをして、何のために仕事にするかの自分の理解がありました。
人によっては、お金のためであり、お金が好きな人もいます。
人によっては、人のためであり、他者に喜んでもらいたい人もいます。
人によっては、自分の成長のためであり、能力や才能を高めたい人もいます。
人によっては、自分の喜びのためであり、好きなことを極めたい人もいます。
さまざまな形がありますが、好きなことを仕事にする人は、「好きなこと=自分の喜び+価値」という認識があります。
喜びだけでなく、好きなことは自分の価値だと認識しており、自らを喜ばせようと自ら価値を与えることで喜びを作ります。
自ら喜びを作る気持ちや覚悟があり、これを意志と言います。
目的を持って生み出す働きをする
好きなことを仕事にする時、「好きなことをすれば自分は喜べるだろう」だけではなく、「好きなことをして自らを喜ばす人生にする」と意志があります。
「あれ、これって好きなことじゃなくて嫌々の仕事になってる?!」とは思わず、「それじゃあ、どうすれば自分を喜ばすために今の状態を変えられるかな?」となります。
生み出す働きがあります。
受動的なさまがなく、常に能動的に価値を見出し、作り、与える、自分の喜びは自分で作る意志があると、努力して行動します。
例えば、スポーツ選手。
自分の能力と結果がその世界の価値ですので、好きなサッカーをする際は、自分の価値を高めて結果を出すために本気で一生懸命に働きます。
自然と努力と行動が起き、気づけばいっつも練習していたりします。
結果を残すためにも、「ゴールを決める」などと目的を明確にし、自らの能力で何ができるかをその場その時の今に集中して、できることを価値にします。
「喜びたい」ではなく、「自らを喜ばす」という意志によって、できることを価値にする生み出す働きがあります。
競争世界の場合には価値を認められるか否かが狭き門になりますが、コーヒーが好きでカフェを開く場合には、コーヒーの味を極めて価値を高めたり、他者がくつろいで癒される価値を与えたり、好きなことで自ら喜びを作る(価値を生み出す働き)にて仕事になります。
※仕事しない選択は、「働きたくない」の当たり前とおかしさに向き合う。無理に働かない生き方 をどうぞ。
好きなことを仕事として楽しむために
仕事として楽しむために、「好きなこと=自分の喜び+価値」にする大切さがあると考えられます。
価値を認識することは自らを認める意味となり、能力や才能、人格に性格、価値観に在り方、得意なこと。あらゆる自己認識が高まります。
さまざまな食材を前に、「はい、これで一体何を作れますか?」と言われた時、料理ができると喜ぶだけでなく、自らの価値を高め、価値を与え、価値を作ることで仕事としても楽しめます。
価値を高めると、他者に価値を与えたり、認めてもらうことができるため、好きなことを極めるとプロになる可能性が広がります。
しかし、価値を高めるだけにフォーカスすると、自らが喜ぶことを忘れてしまう可能性があり、主体性がなくなって受動的になると何も楽しくなくなります。
「好きなこと=自分を喜ばすもの」+「好きなこと=自分の価値を生み出せるもの」にする大切さがあります。
喜びと価値認識を両方忘れないことが、仕事にして楽しむためのポイントと考えます。
※好きなようにはならない自由については、【自由に生きた結果発表】好きなようには生きられない自由さ をご覧ください。
好きなことを仕事にするのは難しい まとめ
「好きなことを仕事にしたい」という状態には、「自分のため」という明確な認識があると思います。
ひつじが可愛いと思ってミルクファームを始めたら、「もう糞だらけ、大変」
仕事にする際には、必ず「他のため」を介入させる必要が出て来るので、目的が曖昧になり、好きなことで自分が喜んでいないと憤り、不納得が起きてしまう可能性があります。
主体性がなくなり、どうして好きなことをしているのか、なんのために仕事しているのかわかりにくくなると、辛く難しい時間になり、好きなことを嫌いになりかねません。
[好きなこと=自分を喜ばせてくれるもの]なのか、[好きなこと=自分で喜びを作るもの]なのか。
二つの在り方は全く異なり、喜びを作る場合には価値認識があります。
私自身、好きなことを仕事にしており、お金を得るのではなく価値を生み出すことで、起きる結果があると理解しています。
難しいと思う経験があるからこそ認識の理解を深めて、本当に好きなことか、自ら価値を高められるか、与えられるか、認められるかを知れます。
他者に価値を与える際には、自ら作り、発信し、提供するスタンスが大切ですので、ここでの理解が好きなことを仕事にする際の一助となれば幸いです。
それでは、好きなことを仕事にするのは難しいお話を終了します。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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