一人で何が楽しいのか、わかるようなわからないような。
一人旅をして、一人焼肉、一人カフェ、一人ゲームセンター、一人映画観、そして一人で海。
「いや、無理ー」という人も当然いるでしょう。
孤独を謳歌する人は、一人で物事を楽しむと同時に、ある楽しみを見出して堪能します。
それが自律です。
一人で楽しむことができる人は、物事を楽しむと同時に自律を楽しみます。
ここでは、そんな一人で楽しめる人の心理と特徴をお伝えします。
旅をすると一人が好きな人とたくさん出会います。しかし、たくさんの方に出会うと、「一人を楽しむ」と言っても明らかな違いと種類があることに気付きます。
そんな違いからわかる一人で楽しむことができる人の凄みと豊かさ、そこにある人生を謳歌する生き方をご覧ください。
Contents
一人で楽しめる人の心理

一人で楽しめる人とは
一人で楽しまなければならないことなんてありませんが、一人で過ごす方はとても多いように思えます。
個々を尊重する価値観や、人として他の生き方を排他しない許容、「自分の人生」という見方。
私が海外を旅していた時、多くの旅人と出会いました。老若男女、赤ちゃんからじいちゃんばあちゃんまで、あらゆる年代の人が、さまざまな国から出てきて他国の人と関わり合います。
やはりと言うのか、旅をする人は一人が多いです。
一人で旅をしている理由はさまざま。
一人が気楽だから。
一人が楽しいから。
一人が落ち着くから。
一人が好きだから。
…。
人それぞれに“一人の良さ”を価値観として持ち、孤独を楽しみます。
旅でなくとも、一人で温泉に行ったり、ご飯を食べたり、海で泳いだりと、さまざまに楽しみますが、中には一人は寂しくて辛い、悲しくなる、サーフィンはいいけど泳ぐのは嫌だ、という人もいます。
二人が気楽、三人が楽しい、四人が落ち着く、五人が好き、誰でもいいから人がいれば良いという方さえも。
一人でいる場合には、自らの力で楽しむしかありませんが、ここには、「自らの力だから楽しめるんじゃないか」という自律性があります。
一人で楽しめる人とは、自律がある。
自律とは、自らがルールを設けて他に支配や翻弄されず、自らが意志を持って決定し、行動すること。
一人で楽しめるかどうかには、自律と他律が大切なポイントとなります。
一人が好きかどうかには、内向性と外向性が大切なポイントとなります。
自律と他律による楽しさ
一人で楽しむことができる人と言っても、人によって中身が全く異なります。
異なる点の一つに自律か他律があります。
自律とは自らがルールや規範を作るため、言い方を変えると、一人であることが楽しい。
一方、他律とは自らの意志決定なく、他からの支配や縛りに従って行動することでして、社会性の常識やルール、他者の意見や評価や反応を主体にします。
他律では集団で楽しむことはできますが、一人で楽しむことは困難になります。
一人でカラオケに行っても単純に意味がわからず、「一人でいることをどう思われるか?」という他律性が出て来ます。
何か物事を楽しむ際にはフラットで何もありません。一人でカラオケに行けば、「私、今、一人、カラオケボックス、マイクある」と、そんな情報が提示された状態だけです。
そこに、認識材料を増やすために、思考や感情や感覚を含めて、「寂しい」「嬉しい」「泣きそう」「気楽」とします。
自律があれば、「一人でカラオケか、最高の時間にしよう」となったり、「究極に辛い拷問だな、一人で歌っても何も楽しめないから帰ろう」となります。
自分ルールが明確なので、歌が好きであれば楽しみを爆発させ、歌が嫌いであれば地獄を認識して速攻帰ります。
自律と他律のどちらが優位であるかによって、人によって楽しみ方に違いが表れ、自律性のある人は一人だから何でもいいわけではないことがわかります。
あくまで自分の好きなこと、欲することに取り組み、自ら楽しみを作ろうとします。
他律の場合には社会的な常識や他者が重要な行動動機となり、楽しみに従う状態で、楽しみを作ろうとはしません。
一人で楽しめる人とは、自律があり、自ら楽しむ動機と意志を持って行動する(楽しみを作る)人です。
自律があることで、楽しみを作る意志を見出します。
同時に、自分の価値観や意見を持ち、主体性を持って能動的な様があります。
一人で楽しめる人と似ているけど全く異なる人
楽しむ際には楽しもうとする意志と、楽しみを作る行動があります。
それは、遠足を待ち遠しく待つ子供が、イベントに楽しませてもらうのではなく、遠足という環境を活用して楽しみを自らが爆発的に作るような感じです。
一人で楽しめる人は、この意志と行動があり、何より楽しみを作る創作意欲があります。
同じように一人を楽しむ人の中には、似ているけど全く異なる人がいます。
私が旅先で出会う方にはたくさんの一人好きがいましたが、多くの方と出会うことで気付いたのは、同じように見えても決定的な違いがあることでした。
孤独が好きかどうかです。
- 孤独が好きな一人で楽しめる人
- 孤独が好きなわけではなく一人で楽しめる人
両者にはそれぞれ異なる“一人”への価値観があります。
一人を孤独だと認識するか、一人二人の数字として認識するかの違い。
これは、この世が自分独りである前提理解があるか、他者も含めた上で自分という一人が存在するか。
自律か他律かです。またでました。
一人で楽しめる人は、自律と内向性の合わせ技一本
一人で楽しめる孤独好きは自分の世界を持ち、その世界を中点にして他を追加していきます。
そのため、自らの意見や価値観が中心で、そこから他を受け入れていくことで許容していきます。
常に自分と他は区分けされており、一人一人が個々に生きている誰しもが独りである前提認識です。
自律性が自然ともたらされる人間性があり、自らがルールと規範を作り、意志を重んじて自らの決定、行動、楽しむ行為へ向かいます。
そこで、一人を喜ぶかどうかは人それぞれです。
人によっては自分を中心にして他者との関わりを重んじ、一人でも複数でも楽しみます。そして、孤独を欲するように一人になることを調整します。
自律があっても他律を排他するかどうかは人それぞれですので、一人好きもいれば複数好きもいます。
ですが、一人を特に好む場合、内向性が関わります。
内向性とは自分の内側を掘り下げるように理解、探求することを求める心理のことで、内省や内観を楽しみ、癒しを好みます。
私が出会った人の中で、一人を究極的に楽しむ人はこのタイプです。
自律性と内向性を併せ持つ人は一人で楽しむことができる典型。
他律な人も一人で楽しめるけど…
他律になると一人でいることに意味が見出せないので、ボーとしてしまうかもしれません。
ですが、他律でも一人を好む人とはずいぶん多く出会いました。
そんな人々から気付くことは、社会性にあえて反発することで、複数の煩わしさや自律のなさを脱却する狙いです。
「一人は寂しい」「一人は可哀想」「一人は辛い」などの常識やルールに反発して独自性を求める時、または、複数での自由のなさや気楽さのない苦痛の対処として、あえて一人を好む人もいます。
自律の有無を他から求めることで他律が重なります。
この場合、一人という数が重要で、一人を主張するようにする傾向があるようです。
カフェで本を読むのが好きな人が、ゆったり甘いコーヒーとケーキを食べながら楽しみを作る時(自律と内向性)、オープンカフェの目立つ所でオシャレな服を着て足組んで小指を立ててコーヒーを飲む。
そんなイメージ。偏見かな?
私は海外を旅している時にバスキング(路上パフォーマンス)をしていたのですが、路上で一人で何かをする、その状況や他の反応が欲しい人もいたので、「他律は目的が不明確で手が込んでいるな」という印象が強いです。
人それぞれに自分にとっての喜びがあると思うのですが、一人で楽しむことができる人かどうかの話になると、他律は楽しむのではなく、苦痛や呪縛からの解放感を一人という状況や他の反応にて得ているのかもしれません。
※孤独の一人を楽しむ話の詳細は、孤独を楽しむとは人生を喜ぶこと│一人であることを活用しない手はない をご覧ください。
一人で楽しめる人の特徴
一人で楽しめる人の特徴
これまでの内容を踏まえて、特に目立った特徴を順番にご覧ください。
1、楽しみを自ら作る
一人で楽しめる人は、一人なのに、一人でも、楽しむことができます。
言い方を変えると、楽しみを味わう主観も、対象も自分であることを理解しています。
そこには、楽しみを自ら作る意欲があります。
2、意志と欲を強く持つ
自らが喜ぶ意志は、自分を大切にする覚悟であり、決意。
同時に、欲を持つことで楽しみを作り、自らを敬い愛する気持ちを引出し、それが行動動機となります。
欲の矛先が自らを喜ばすことにフォーカスされ、そこに他を介入させずに喜びへひた走る目的の明確さを併せ持ちます。
3、恐怖がない
他者からの目や評価、社会性という大きなバックアップであり安泰の泉に身を投じないことは、常に自分vs大多数になる可能性があります。
でも気にしなーい、と。
楽しみを一人で作ることには自己責任があり、なんでも一人で考え、決め、行動し、責任を持つ必要があります。
でも気にしなーい、と。
不安や恐怖を克服し、強い特徴です。
4、自分をよく知っている
理解が深く、得意・不得意、好き・嫌い、能力や才能を把握して、楽しみを作る材料とアイテムを熟知しています。
そのため、一人だからこそ楽しめることがあり、一人じゃないと楽しみが半減することを見出し、より自分らしさを活用した楽しみ方を知っています。
5、個々を尊重する
個々に生きている基本認識があり、一人一人を尊重します。
同じ人間など誰一人としておらず、みんなに価値観があり、考え方があり、生き方があり、経験と記憶があることを知っています。
十人十色、みんながみんなの考えを持っていることを否定せず、同様に自らの考えを押さえつけたり、抑制することをしません。
6、執着を好まない
「あなたはあなた」「私は私」という概念が強く、干渉して他者を変えたり否定することをしません。
自分を理解しているので心の余裕があり、自らを正当化しようと企んだり、恐怖から逃れるために肯定を求めたりと、押し付けや思い込みを主張しません。
他者から執着されることも、自ら執着することも好まない特徴です。
7、自律と自立している
自律にて自らを主体にした価値観と信念に基づき行動します。
そのために、実体験を踏まえて物事を理解して、自らの行動規範を作ります。
さらに、さまざまな自立の中でも精神的自立が強い特徴があり、何を喜び、何を楽しみと、頭と体と心を駆使した認知にて、自分としての在り方と認識を育み、責任と信じる行為にて自らの足で立ち、歩き、走ります。
8、内向的で癒しを好む傾向
一人であることに喜びがあり、自らを探求するように知ることを楽しむ傾向があります。
他との関わりにある刺激以上に、自らを内観することでの思考、感情、感覚を理解する喜びが強く、癒しを好みます。
内向的である必要はありませんが、一人を好むからこそより楽しみを作る糧となり、喜びを増大する特徴となります。
9、自分を敬い愛する
自分が常に中心。そこに他を加えることで自らの世界を彩り創作します。
常に中点にある己を敬い愛し、現状を受け入れ、自らの性格・人格・人間性を認めます。
ないものねだりをせずに、あるものから何を生み出すかに認識の焦点があり、喜びや楽しみは自らが作りだす意識を強く持つ自己責任でもあります。
10、好きな暇つぶし、嗜好が何かしらある
暇つぶしとして常にしている何かがあります。
それは音楽か、ボイパ、鼻歌、釣り、独り言、熟考、鳥観賞、お絵描き、自然に見入る、タバコなどなど、何かしら嗜好的に普段から楽しむ趣味のようなものがあります。
もはや、癖が楽しむこと。
11、孤独が好き
一人という数ではなく、独りという自分のみであることが好き。
そのため、自分だけの隠れ家的なものを欲し、誰も来ない場所を見つけると大はしゃぎで喜びます。
人生は自らが創っていることを知っている人。
12、自分を知ることが楽しい
最後の特徴です。
知らないことや、新しい自分の理解に楽しさを感じます。
そのため、自己探求や成長を求め、旅好きや、旅に憧れる人が多く、自らを探求できる喜びを一人という環境活用にて育み、知恵を増やします。
それはまるで子供のように、一つのことに熱中する集中力をもたらし、一点集中できる人が多い特徴にもなります。
一人で楽しめる人の特徴 一覧

上述をまとめたものです。
- 楽しみを自ら作る
- 意志と欲を強く持つ
- 恐怖がない
- 自分をよく知っている
- 個々を尊重する
- 執着を好まない
- 自律と自立している
- 内向的で癒しを好む傾向
- 自分を敬い愛する
- 好きな暇つぶし、嗜好が何かしらある
- 孤独が好き
- 自分を知ることが楽しい
一人で楽しめる人には誰しも共通の特徴がある
ちょっと番外編。
お伝えした特徴は傾向ですので、人それぞれに度合も兼ね合いも変わります。
ですが、私が出会った人々では100%誰しも共通の特徴がありました。
“平和さ”です。
なんだかホワッ。
そこはかとなくフニャ。
つつましやかにススス。
「なんか平和ね」と、そんな気分にさせてくれる人。
ここにあるのは絶対的な安心感。
恐怖を乗り越え、愛を持つ人独特の雰囲気、ほにゃ。
一人で楽しむことができる人は平和で、攻撃性がない。近寄りやすく、近寄り難い。
いや、近寄りやすい。でも、近付くと離れていく気がする…的な、そんな人。
※人生を楽しむ人の特徴は、人生楽しそうな人と出会ってわかること│特徴に表れる楽しむ生き方 をご覧ください。

一人で楽しめる人のポイント
一人で楽しめる人もいれば、楽しみたくない人もいれば、楽しむ意味がわからない人もいれば、どうぞという人もいます。
一人で楽しめても複数になると楽しめない人もいれば、どちらでも楽しむ人もいます。
一人で楽しむことも、複数で楽しむことも、自律も他律も関係なく人それぞれの価値観であり生き方です。
一人が合っている人もいれば、複数が合っている人もいるので、どんなスタイルが自分に合っているかを知ることで楽しむ幅が広がり、より楽しくすることができます。
一人で楽しむことには、それに見合った人間性や心理があり、その典型が自律と内向性であり、何より孤独を愛します。
一人で楽しめる人のバランスに愛と恐怖
内向的でも孤独が好きか否かは人それぞれです。
自律があっても孤独を愛するか否かは人それぞれです。
何事もバランスがあり、自律を主張すれば他との協調や共存は困難になり、自然とひとりぼっちになるかもしれません。
他律を主張すれば他者の存在なくして生存困難となり、生きている意味を見失うことで自分を見失うかもしれません。
バランスを崩すことで不安や恐怖に駆られ、孤独を好まないにも関わらず一人を主張する、他律を自律だと思い込む彷徨いも起き得ます。
そのためにも、敬いや愛の気持ちが大切になり、一人を楽しみたい意志には紛れもない自分への敬いがあり、他者なんて二の次、なくてもいい。
そこに余裕ができれば、本当に他者を敬う気持ちも芽生えます。
私が出会う一人で楽しむことができる人には、誰しもが共通の生き方があります。
恐怖との関わりを知り、他者に向かわずともまずは自らを愛することを確実にします。
恐怖と愛のバランス。それは自律と内向性だけでなく、一人一人に見合った自他への意識、内外の性質があり、一人か複数か、どちらが自分に合っているかを教える物差しになると思います。
自分を敬い愛した暁には、個々を尊重する気持ちを抱き、自らの価値観を大切にして主体的に能動的に、自律と内向性を活用して一人の孤独を謳歌する。
必要に応じて他者との関わりを調整。そんな具合かと思います。
一人で楽しめる人 まとめ
一人で楽しめる人は、一人が好き、一人が気楽、一人が落ち着くを超越した状態にいるように思えます。
楽しむ行為には、自らが発端となって能動的に行動することが求められるので、待っていれば喜べるとは大きく違います。
一人であることを利点とし、自らを最大限発揮する様には楽しみを作り出す意志と意欲があり、それを駆り立てる動機と目的があります。
そんなことをわざわざ考えていないと思いますが、無意識に全てを引き出す根底には、自らを敬う“孤独”が基本である認識がチラつきます。
一人で楽しめる人は孤独を好み、孤独を愛します。
それは自分を愛し、人生を愛する覚悟のこと。
「私の私による私のための喜び作り、私は私の世界を基に、この人生を謳歌することを宣言する」
ワーワー、そんな声が生まれた瞬間に聞こえたとか聞こえないとか、むにゃむにゃむにゃ。
一人で楽しむ自律を持ち、集団で楽しむ他律を持つ。共に理解することで自律を主張するのではなく、尊重する形で一人を楽しむことができる。
まずは自分、その後に他。すると一人で楽しめる人の平和さがもたらされるという。
そこには孤独を謳歌する人生の道が見えるかもしれません。