疑似現実を生きるために欠かせないアイテム、作り笑顔。
作り笑顔に慣れていた私が海外を旅し始め、初めに痛感したのが、無理して笑う企みと心理の自覚でした。
嫌でも自覚せざるを得ない時、笑顔の仮面使用の見返りは、お面代では済まなくなる仕組みを知りました。
詳細を知ると、無理して笑うとどうして疲れるのか、疲れないためにどうすればいいのかがわかります。
ここでは、無理して笑うのに疲れた時の理解を見ていかれてください。
- 無理して笑うと疲れるのはなぜ?
- 疲れないための策とは?
これらを紐解き、「作り笑顔は相手のためではなく、恐怖心の接待なんだ」と知っていただく内容となっております。
偽りの笑顔は世の中を生きる生存戦略となる大切な行為ですが、無理してでも笑おうとする行為には、さらに問題解決と幸福制作の糸口が潜みます。
一つの考え方としてご参考になれば幸いです。
Contents
無理して笑う人の特徴&疲れる原因

無理して笑う人の特徴
日本社会で生きる上では、仮面は欠かせないアイテムだと思います。
人それぞれに仮面の顔があり、優しくて頭のいい人がよく選ぶのは、笑顔。
笑顔仮面を選ぶ人には共通した特徴がありますので、一覧をご覧ください。
- 自責の念が強い
- 自己防衛意識が強い
- 自分への興味が強い
- 認識力が高くてよく気づく
- 観察・洞察癖がある
- 頭の回転が早い
- 平和を好む
- 攻撃・排他性がない(自己防衛による反発は強い)
- めんどうなこと(人とのワチャワチャ)が苦手
- 我慢癖
- 理論的なナルシシスト
- 本当に笑うのが大好き
おおまかにまとめますと、自意識が強く、個々人を尊重したい人と考えられます。
「自分」「あなた」と自他の区分け意識が強く根付いており、平和的で優しい人。
しかし、自己抑圧が強いために自責は強迫観念となり、我慢や頑張りを強いがちになり、それらが自惚れだと気づかなくなります。
結果的に知らぬ間の自己主張や押し付けが起き、世の中と自分の合致がうまくいかなくなります。
めんどくさいことが多くなり、笑顔仮面の使用頻度が増えます。
笑顔の仮面にある[利用価値と真意]
仮面には利用価値があり、利益を見出し、不都合をなくせます。
笑顔によって得られる人間関係での効果によって、良いことも嫌なことも笑えば素敵な出来事になり、感謝や幸福を感じている気になり、辛い出来事を忘れやすく、認めたくないことを流しやすくなります。
笑顔仮面の効果は絶大であり、何よりこの仮面を選んだ真意が表れます。
不都合を誤魔化しやすい。
「無理して笑う=嫌なことを誤魔化す」
誤魔化しは自己都合で現実認知を偽る手法です。
自分の見たい世界だけを見るために、造形笑顔によって事実を誤魔化します。
日本は仮面国家ですので、幼い頃から根付いた常識として仮面を被り、作り笑いや愛想笑いが恒常化しやすい環境です。
社会ルールである仮面は自分のためにも他者や社会のためにもなり、欠かせないアイテムとして文化にすらなっているかもしれません。
使用頻度が増えるにつれて目的がズレていきます。
要所要所で笑顔を見せ、社会性の引用や、人間関係の調整、コミュニケーションの円滑性を高めるアイテムですが、嫌なことを誤魔化すためのアイテムに変化。
『自他のためのアイテムから → 自分のためだけのアイテムに』
仮面を被る社会ルールではなく、誤魔化すために笑顔を使う場合、無理してでも笑うことが起きます。
「無理しているならやめればいいじゃない?」と思えますが、誤魔化しアイテムになっていると、被ったと思っていた仮面が存在しないことに気づき、「あれ、ない、どこ?」となります。
嫌なことを誤魔化す手法によって自己利益を見出し、不利益をなくせるため、手放せなくなります。
ここに疲れる原因が潜みます。
※よく笑う人の育ち方は、【“ある力”を生む環境】よく笑う人の育ち方7選 をどうぞ。
疲れとストレスを溜める原因
疲れる原因と考えられるのは、仮面によって作り笑顔をすることではありません。
仮面だった笑顔が、いつの間にか自分のためだけの誤魔化し手法になっていると、気づいてしまっているためだと考えられます。
自己都合の使い方は、他者を利用して利益を見出す状態。
嫌われたくない、現実を見たくない、認められないと自覚したくない、恐怖心と向き合えないと知りたくない、現実を誤魔化して逃げ続けていると認めたくない。
ネガティブな不利益をなくすために、無理してでも笑ってその場をやり過ごし、上司とのめんどくさいやり取りを流し、友人との気まずさを誤魔化し、自己都合で認められる事柄だけを見るようにします。
これらの行為に疲れる要因はありません、生存戦略です。
着目は無理してでも笑う人の人間性です。
自分のためだけに他者を利用する行為に、罪悪感など抵抗や違和感を感じ、自らのしている行為に対する拒否がありながら、押し切ります。
・自己認識力があり、自らのことをよく捉えて理解しているからこそ
・優しくて個々人を尊重する人だからこそ
・自己防衛による反発はあっても、悪意を持っていないからこそ
・無理に笑う真意にどこか気づいているからこそ
押し切ってでも利益優先していることに気づくと、自己内部にジレンマ、ギャップ、不調和、自責の反発、憤り、我慢、誤魔化しによる抵抗が大量発生します。
認めたくない自分でありながらも、さらに認めたくない行為をし続ける自己矛盾の貫きは、まるで首を締めながら全力で呼吸するさま。
エネルギーが漏れ出るだけでなく、消費し続けます。
疲れて、ストレスを溜めます。
とてつもないストレスであり、無理して笑うことは自らを見失わせ、精神を穢す危険性もあります。
※作り笑いの詳細は、【笑いを使用中】面白くないのに笑う人の心理に自己愛と自己防衛。をどうぞ。
体験談:無理して笑うのに疲れた
無理して笑う真意を知ったニュージーランド
私が海外を旅し始めて真っ先に痛感させられたのが、無理して笑う心理でした。
渡航一カ国目のニュージーランド。
私は英語を話せない状態で田舎町へ向かい、誰も知り合いがおらず、会話もできず、仕事を探し、初めての農場業務を経験し、お金を稼ぎながら誰も日本人がいない場所で、多様な国々の人と滞在していました。
目まぐるしく日々が巡り、毎日これでもかと言うほど困り、恥をかき、疲れ、無理をして頑張り、我慢していました。
この時に重宝したのが、作り笑顔です。
ジャパニーズメンタルを引き継いで海外へ行っていたので、これまでの在り方をニュージーランドで貫き、不都合を誤魔化すためにエヘヘ、アハハ、ギャハハ、Oh shit man、ケラケラケラと笑っていました。
無理して笑っていることは周囲からすれば承知の行為ですが、これが日本であれば、相手も仮面を被るので事実を指摘してくる人はほとんどいません。
暗黙の了解と同調圧力文化の合わせ技で、なあなあにしてくれます。
しかし、海外でそうは行きませんでした。
無理にでも笑う私は、笑えば笑うほどにあることが露呈します。
「え、英語わかってんの?」
わかりません、何に笑っているのか知りません。
誤魔化すためにも過剰に笑うけど、何が面白いのか意味わかりません、何にも面白くありません。
とりあえずティータイムはクッキーかじって笑っておきますが、ファームのボスが何言っているかすらわかりません。
変顔をする驚くほどつまらない人が、これほど有難かったことはありません。
しかし、誤魔化しはそう長くは通用しませんでした。
誤魔化しの笑いはイライラされる
私が英語を話せなかった当時、周囲は主にドイツ人だらけでした。
シンディーというドイツ人女性と関わることが多く、栗拾いの仕事を一緒にしていたので仲良くなり、普段は私に英語を教えてくれていました。
彼女は直ぐに指摘しました。
「なんでいつも笑ってんの?面白くないのに無理して笑ってる意味がわからない」
かれこれ何人から指摘されたかわかりません。
ドイツ人達は愛想笑いを多用しますが、自分を誤魔化すためには笑っておらず、私の無理笑いが全く理解できなかった、またはイラついていました。
そんなことが続く環境では、私は現実と向き合わざるを得ませんでした。
そもそも英語がわかっていないのに笑う時点で、相手からすれば不愉快であり、相手を理解する気がないと言っているようなものでした。
うすうす気づいているけど気づかない振りをしていた現実直視は、明確に無理して笑う自分の心理を浮き彫りにします。
- 誤魔化しによって不都合を直視しない現実逃避
- 自己都合でのみ物事を捉えるナルシシスト認識
- 自分のことしか考えていない自己中心性の直視拒否
- 自分のことしか考えられない不安の多い環境浸かり
全て自覚の拒否。
これを洞察すると気づいたのは、自らの恐怖心を接待していること。
現実的指摘は辛辣でしたが、自らの現実を自覚させて次へ向かうための有難いことでした。
※作り笑いしない人間的意味は、愛想笑いができないことに意味がある│人間性が恩恵になる笑いの使い方 をどうぞ。
無理して笑う心理:「恐怖心の接待」
恐怖心とは危険・苦痛・拒否したくなるさま。
嫌で、怖くて、辛くて、拒みたい時、自己内部に恐怖心がドドンと現れます。
誰しも恐怖心は嫌がるものであり、なるべく関わりたくないものです。
人それぞれに嫌なことを見ず、知りたくないことを知らず、認めたくないことを認めず、未知を拒み、怖れから逃避し、関わりを拒むために試行錯誤します。
無理して笑う人は恐怖心を誤魔化す手段を選びました。
誤魔化しながらも逃避はしません。なぜならば自責があり、認識力があるので事実に気づいているためです。
恐怖心とは自分自身であるため、逃避しても意味がないことを心の奥底で知っています。
認識力である気づく力、物事を捉える幅広さ、質の深さ、量の多さを活用して、内部で巣食う恐怖心の機嫌を損ねないように、頭を使って対処しようとします。
この結果、恐怖心を接待します。
不都合をなくし、見たくない現実があれば揉み消す。今日は踊り子を呼んでおけばいいだろうと、無理して笑って疲れた日にはご褒美のマンゴージュースを実物にほれ。
※顔色伺いで笑うのをやめる際は、人の顔色を伺うのをやめたい│心理と利点に伺う大切さと心持ち をどうぞ。
接待の激化によって作り笑顔が手放せなくなる
接待によって自分を納得させられます。
しかし、恐怖心を誤魔化せば誤魔化すほど、自責と認識力が邪魔をしてきます。
「前回の上司に対する作り笑いの時、上司は少し怪訝な顔をしていたから、もっと愛想よく笑わないと」
自責と認識力があると、「作り笑顔によって得られていない利益や不都合」を知ってしまうため、より誤魔化す必要性が出てきます。
この積み重ねによって激化します。
恐怖心の接待は誤魔化しを加速させるループを作り、目的を果たすために笑い、嫌なことを味わわないために笑い、癖のように笑い、作り笑顔が離れない。
無理してでも笑うようになって、やめられなくなります。
※いつも笑う人の過去については、【いつも笑顔の人の過去と世界観】“顔”に表れる真意&注意点 をご覧ください。
疲れた時の最重要点・緩和策
最重要点
作り笑いや愛想笑いは、私達日本人には本当に欠かせないものです。
着目は無理してでも笑う、すなわち自分の限界や許容を超えている、または自分のためになっていないとわかっていながらやめられないことです。
無理に笑うこと自体に恐怖心が表れているのに、内部で鎮座する恐怖心の接待を優先する状態です。
恐怖心の天秤は、[今する行為に対する恐怖 < 長年構築している恐怖]
現実以上に、自らが作り上げた内部継続を優先するホメオスタシスや信念体系の固定化、自分を疑いたくない自己愛と自己防衛の結果です。
私達人間は、目の前の新しいことを信じる以上に、長年培った経験測を信じやすく、それが辛いことであっても確実な利益(不都合のなさ)を求めます。
長年構築してきた恐怖心の接待に基づく信念や価値観がある以上、無理してでも笑ってしまいます。
そこで重要なのが、自覚です。
作り笑いする以上は自分のためだと自覚する
無理しているなら笑わなければいいのですが、これができないのは恐怖心と向き合う抗体が今はないためです。
私自身、指摘されても作り笑いは癖になっていたのでやめるのが困難でした。
しかし、自覚すると疲れなくなります。
自己内部でのジレンマやギャップや憤りとなる、「やりたくないけどやってしまう」「やってしまう真意に気づいているけど気づきたくないから押し切る」をなくすのが自覚であり、ストレスが緩和されます。
自責者であればあるほど、自覚が大切になります。
「何のために笑っている?」の答えは一つしかありません。
「自分のため」です。
自覚するからこそ自己内部での不調和がなくなり、疲れやストレスが緩和されます。
まとめ:無理して笑う人の特徴と疲れる原因
私自身、自覚を優先することで作り笑いをやめるのではなく、活用性や重要な役割を知れたと思っています。
日本人のパーソナリティがある以上は作り笑いは多少にかかわらず付いてまわります。
反発して抑圧を増長させることもできますが、せっかく培ってきたならば、認識力による作り笑いの演技、恐怖心の接待パワーを使わない手はありません。
そのためにも、疲れとストレスが溜まっている場合は一旦休まれてください。
休息後には演技力と接待力を使い、笑顔も真顔も楽しみながら調整し、笑わない時を作るからこそ、作り笑いの効果を高めたりと創作できます。
「これはもしかして自分勝手かな?」と思えることを思考し、行為する経験を増やす大切さがあります。
それらは自分だけのためではなく、必ず他を含めた認識になっているので、演技や接待を調整しながら相手のため、そして自分のためを意識しながら使えます。
優しさや個々人の尊重、あるべきものを抑圧から解放するためにも、自覚が全ての始まりです。
せっかくの作り笑い能力、無理しないためにも自覚を増やし、疲れとストレスをなくしながら自己発揮へ向かう一助となれば幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
『心理とスピリチュアルの学び場』
誰しもに人生を変える機会と選択があると信じています。
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※これは長期的に本気で変わりたい方専用です。