心理と特徴

「事なかれ主義の何が悪いの?」末路は“何もない”と知ったインド体験

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インドにいると常に思うことがあります。

「この国には事なかれ主義者はいないのか?」

誰か怪我すれば野次馬が溢れ、酔っ払いが喧嘩すれば人混み、珍しい日本人がいればすぐにチャイをおごってくれる。

事起こし主義、自我の強さ、自意識の高さ。

真逆となるのが、私達ニッポン人かもしれません。

事なかれ主義。

インドから日本に来ると毎回思うのが、「本当に同じ人間なのか?」ということ。

そんな目線で洞察すると、「事なかれ主義とはなんたるか?」がわかりやすくなります。

ここでは、事なかれ主義による末路を紐解き、一体どんな主義精神なのか見ていかれてください。

  • 事なかれ主義のメリットとデメリットを知りたい
  • 事なかれ主義を続けた場合の末路を考えたい

私個人的には事なかれ主義は利用価値のある楽で便利なものだと思いますが、「楽」の対価は以外に高いものだったりします。

どんな主義なのかを今一度見直すために、一つの考え方となれば幸いです。

事なかれ主義の何が悪いの?

事なかれ主義とは

事なかれ(事勿れ)主義

いざこざがなく、平穏無事に済みさえすればよいとする消極的な態度や考え方。

※コトバンク 引用

事なかれ主義は、損害回避するための曖昧術。

他から干渉されず、巻き込まれず、めんどうをなくし、個人で在る方法。

この作用によって、自己利益を護り安泰を確保し不利益事を減らして損害回避できます

空気を読む“同調圧力”、責任を曖昧にする“暗黙の了解”に並び、日本の三大主義と言われるとか誰も言わないとか。

無用な邪魔をなくし、物事を荒立てず無事に済ませれば、とにかくめんどうがなくなります。

めんどうとは、現状の安泰を脅かす不安や恐怖の味わい。

「余計なことをしないでくれ、そうすれば私は現状の生き抜き方を知っている」

消極的な態度である事なかれ主義は、“喜び”ではなく、“嫌なことがない”という自己防衛によって自らの精神を満たす在り方だと考えられます。

楽しむより、辛さを味わわないことが優先。

新たな光を見るより、現状の崩壊がないことを優先。

防壁を固めて、自分のことは自分でまかない、他と区分けして無用な干渉や浪費をなくす工夫

集団の中で個として存在するための術であり、他の干渉を不要として自らの力で生きられる場合、とても大切な社会を生き抜く術になります。

人によって大切に思えますが、実態はどうなのでしょうか?

 

事なかれ主義のメリット&デメリット

メリットはなんといっても、安泰確保です。

危険を避ける能力は空気読みであり、周囲を察知して波風立てない調整力、別名自我なくし。

少しでも攻撃される懸念があれば先読み、周囲や強者に合わせたり、その場をソソソと退き逃げたり。

難を逃れるための事なかれ能力は、利益を保持して不利益を被らない、『現状の確保』です。

現状に安泰や満足があることを条件に、「このお饅頭を守るために捕食者にバレたくない。よし、“饅頭なんて知りません作戦”でいこう」と目的遂行のためにめんどうと危険性をなくすことに集中。

身を潜めて他に合わせ、真意を誤魔化して欲求を抑え、損害回避を優先するメリットは、現状維持や確保という事なかれ。

メリットは少ないため、デメリットがあると割に合わなくなりそうです。

一覧でご覧ください。

事なかれ主義のデメリット
  1. 自信と自己肯定感が下がっていく
  2. 裏での悪口や否定や批判癖がつく
  3. 問題意識がなく、常に他人事になる
  4. 自分の意見が作れず、自己発信がない
  5. 穏便に済ませば済ますほど責任感が衰退
  6. 危機感がなくなり、めんどくさがりが増長
  7. 変化、成長しにくく、向上心がなくなる
  8. 自己世界にこもりやすく、活力が衰退する
  9. 自己存在意義や価値の見出しが困難になる
  10. 一体何をしたいかわからなくなる

事なかれ主義のデメリットで着目したいのは、「一体なにをしたいんだっけ?」と自らの行動や思考の目的が事なかれすることです。

自分の意志が曖昧になり、消える可能性もあります。

意志がなくなると自己保持を図る自己防衛が強まり、ゴジラの映画のようにあたふたすることさえ曖昧になり、死ぬ直前でも危機感がない、なんてことも起こりえます。

 

事なかれ主義は矛盾思想なので注意がいる

私達は日本人として生まれた以上、それだけでお殿様から守られています。

あらゆる社会制度と保証があり、役所に行けば無償で時間を割いてまで相談に乗ってもらえ、さらに必要機関を教えてくれて、働く場所を紹介してもらい、お金を得る機会まで与えてくれます。

当たり前になると気づきにくいですが、すでにあらゆる恩恵をもらっているため、現状の仕事、給料、生活水準、食料摂取、娯楽など、自分の認識次第でどこにでも幸福を見出せる環境です。

既に利益をたくさん持っているからこそ、「目立って出る杭を打たれないように、余計な弊害を食らわないように」などと安泰を確保したくなります。

ネガティブや不安が先行し、集団主義による個人喪失を危惧することでも、現状の安泰を確保したくなります。

事なかれしたくなる理由が日本には多くありますが、事なかれ主義は個人思想では成り立たない大前提があるため、思想を貫くには注意が要ると考えます。

安泰確保を目的にすると、「他(日本の環境や社会制度)から貰っている利益を保持する」という思想になります。

自ら見出し作った利益ではなく、他から貰っている利益ですので、無事や安泰を確保するための事なかれは、利益を与えてくれる基盤である社会や地球(自然)のためです。

事なかれ主義を、「自分のため」にすると矛盾を作ります。

自分のために事なかれ、無事に平穏にいざこざなく済ませると、奇妙なことが起こります。

『周囲に迷惑をかけない自分勝手な行為』

意味があやふやです。

この行為は、「自分だけの世界で、損害回避するために他を気にして生きる」という矛盾。

自己内部の認識と外部の現実が一致せず、空想で生きている状態を意味します。

これによって末路が決まっていきますので、さらに深堀りしていきます。

 

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経験と実践を含めて理解がより深まるため、機会をここに提示します。

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※自分を本当に変えたい方のみご活用ください。

事なかれ主義の末路を知る体験談

末路のご参考に、体験談をご覧に入れます。

インド体験:事なかれ主義者は無になる

過去の私は典型的な事なかれ主義者でした。

当たり障りなく、自分が困らないために相手に合わせ、こびへつらい、あやふや魔法で難を逃れ、他人事としてその場を離れて関わらない。

フロイト心理学でいう、超自我(スーパエゴ)というやつを主体にした在り方です。

そんな私は海外を旅することで事なかれが減っていき、インドに行った時にこう痛感しました。

「この国で困らないように防御態勢でいたら、数日で朽ち果てる」と。

「おいっ、200ルピーってお前が言ったんだろ!何が500ルピーだ、ぶっ飛ばすぞ!」

こんなことを一日五回は言い合います。

さもなくば、ただただお金がなくなり、エネルギーがなくなり、痛い思いをするのは自分だけ。

ちょっと強く言って、「OK,sorrysorry」となると思ったら大間違い、「then,give me 480RPs」

「コノヤロー」の繰り返し。

事なかれ主義に待っているのは、あらゆる浪費消費無駄の雨嵐。

インドは集団として共同体が根付いており、二車線道路に横並びで五台は並びながら、クラクションで、「どけ」「はやく行け」「牛が先だ」「死体があるぞプッププー」などの会話を瞬時に繰り広げます。

どんな状況でも常に他を含めて自らの在り方を決めており、野次馬で寄り付くのは物珍しさもありますが、「自分に何ができるか、私も起こったことを知るべきだ」という意識があります。

いわゆる、他と共存する共同体としての自我が強い人々。

自分と他を区分ける自意識が強くありながら、他と共に存在する精神もまた強くあります。

自我が強い人々の環境では、自我をなくす事なかれ主義は無になります。

何も得ず、何も変わらず、もはや奪われ、「私って何なの?」と疑問。

自我が強い人々と関わることで、事なかれ主義のデメリットは明確化します。

 

事なかれ主義は何も起こらないと知った体験

デメリットを大きく体感したのはミャンマーでのことでした。

優しくて寛容な国でインド滞在ビザを申請したのですが、ここでもインド人の自我の強さは凄まじく。

インド大使館が始まる早朝から手続きに行ったのですが、営業時間になってもなかなか大使館が開かない。

あらゆる国々の旅人が集まり、行列が長くなっていく。

「はい、どいて~」と言いながら恰幅のいいインド人女性が通り、30分ほどしてやっと開きます。

全員が、「この人の遅刻のせいだっ」とザワツキながら手続きが進みますが、なんと10人ほど大使館内に通したら、「はい、今日は終わり、また明日来てね」

「えっ、どういうこと?」とみな状況理解に忙しない中、ドンッと思いっきりドアを閉められて終了。

やつらは本気。

自らの遅刻、仕事の遅さ、どれだけの人が待っているか、並んでいるか、そんなの関係ない。

仕事を急ぐつもりなんてさらさらない。

この戦いは数日間続きました。

私は日本大使館で推薦状をもらったり、さらにインド大使館へ行って一枚ずつしか教えてくれない必要書類を集め、時間制限がある中を何度もバスで移動し、タクシーで急ぎ、右往左往させられながら、なんとか申請を進めます。

最終的にはドアを強引に叩き、キレて中から人が出てくるほど叩いて蹴りまくり、やっと書類を提出し、あとはビザをもらうまでのところに来ました。

最後に、「USドルのピン札で支払いをして」と言われ、「今日はあと10分で終わるから急いで、さもなくば来週ね」

くそー、と憤る暇もなく既にダッシュしている私、ATMを駆け巡ってピン札をゲット。

「これでどうだ!」と提出すると、「あ、この一枚はダメ、はい新しいの持ってきて」

どこからどう見てもピン札。ぶっ飛ばしてやろうかと本気で思いましたが、アドバンテージを取られているので、さらに猛ダッシュ。

時間ギリギリで間に合い、やっとビザゲット。

「当たり障りなくやっていたら五年かかるな」と思う体験でした。

 

事なかれ主義の末路は無

ここでお伝えしたい末路は、「無」

何も起こらないという意味です。

事なかれの目的は、防衛意識による現状維持、安泰確保、または自己保持という形での個人利益の確保と、損害回避が主だと思います。

時と場合に応じて使い分けるのは大切ですが、万が一事なかれが主義となり、在り方として定着すると、「自ら変化を起こす気」がなくなります。

能動性、開拓意識、創造性、成長、向上、変化、行動がなくなります。

さらに、個を守るスタンスになると自己世界にこもり、思考と行動が一致しなくなり、自己認識と外界の現実にギャップが広がります。

空想世界で、変化せずに自己保持するさまとなります。

他との繋がりが消え、何も起こらない無の結果、影響力がなくなります

「私はこう思う、こうするべきだ」と主張しても、影響がないために流れやすく、意見を聞かれなくなります。

存在が希薄化し、いてもいなくても同じになる可能性もあります。

怒っても騒いでも、大使館でギャーギャー言っても、相手は影響しない。

「もういいや」と諦め、妥協が増え、他者に興味がなくなり、接点が減っていきます。

自らの存在確証が自己世界のみになり、自然とこもるようになり、外界(他)と内界(自)を綺麗に区分けし、外界に対する否定や批判が増えます。

批判しても影響がないため、「もういいや」となります。

事なかれ主義の末路は無、良いも悪いも何もない状態。

他から意見があっても、「事なかれ主義でもいいんじゃない、別にやめてもいいんじゃない、どっちでもいいんじゃない」というもの。

当たり障りなくする結果、当たり障りなくもされ、影響がなくなると存在が希薄化する、という考え方です。

 

末路のポイント

私がインドビザを取っている時、何回も大使館に行っていたので、たくさんの国々の旅人と出会いました。

当時はインドビザを取るのにとにかくめんどくさい手続きがありまして、みな一様に方法がわからないので情報交換が重要でした。

私が知る手続き方法を伝えると、「そうなんだ、大変だなぁ、どうしよう」とビザ取得を考える人が多かったです。

そんな中、日本人にも数人会ったのですが、もれなく全員が試しもせずに諦めて去っていきました

このことがあまりに印象的で、他国の人々とは明確に反応が違ったため、事なかれ主義とはめんどくさいのを避けるための、楽な道でもあると感じました。

怠惰の受け入れは、選択を自ら狭めます。

今の時代はなんでもありますので、選択が多少狭まっても困らず、実感に繋がりにくいと思いますが、年齢を重ねる度に実際に起こっていることに気づきやすくなります。

もし、楽な道を選ぶために事なかれ主義になっている場合、怠惰を増量させるために自分の意見や意志を消す行為になり、自らが自らを無にしかねません。

このさまには自我のなさがあり、自我が強すぎても周囲は困りものですが、自我がないと自らが困ると考えます。

自我がないから事なかれ主義なのか、事なかれ主義になる要因が自我をなくすのか、両方の道があります。

どちらの道でも、事なかれ主義は個の利益を守ることで個をなくす、そんな矛盾思想になりえます。

これはインドに行くとはっきりわかります。

他を含めて自分が存在している大前提があると、他に影響を与えたり、他から影響を与えられて存在がありありとします。

そんな環境では事起こし主義が横行し、とにもかくにも影響を与え合うことで、個が明確化しながら全体として稼働します。

これの逆行となる事なかれ主義。

変化と影響力の喪失は、自他の組み合わせを無にし、自他の興味を無にし、自我を無にし、自分を無にします。

 

まとめ 事なかれ主義の末路

・事なかれ主義は他から干渉されず、巻き込まれず、めんどうをなくし、個人で在る方法

・自己利益を護り、安泰を確保し、損害回避し、自己保持する作用

・メリットはありながら、デメリットが多いために割に合わない

・他(社会や地球などの環境)から貰った利益や安泰が前提であるため、「自分のため」に事なかれすると矛盾になる思想

・矛盾になる結果、空想を生きることとなり、自己世界と外界(他)との現実にギャップができる

・嫌なことに対する諦めや妥協や誤魔化しが増え、選択を自ら狭めながら気づかなくなる

・難を逃れて曖昧にし続けることで、自らの意志や自我も曖昧になる

・当たり障りなくする結果、当たり障りなくされて存在が希薄化

・個を防衛する結果、個をなくし、影響力がなくなる

・不変が起こり、成長や向上のための行動がなくなる

・事なかれ主義の末路は、良いも悪いも何もない無影響

大前提の他との共存や社会基盤を度外視すると、事なかれ主義は影響を自らなくす危険性があります。

そんなことから、事なかれとは時代を逆行する不変、影響を無にし、自我をなくす方法になります。

物事は使い用ですが、なんとも目的を持ちにくいのが事なかれ主義の特徴です。

時と場合に応じて、「よし、今は事なかれ、今は事あり、事起こし」と自ら選択肢を作っていくのがいい塩梅かと思います。

理解を深めるために一つの考え方としてご参考になれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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