育ち

【怒らない人の育ち】インド人大家族が教えてくれた怒りの中身

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不納得や不満を感じると、ブワッと出てくる怒り。

怒りたくなくても怒ってしまう、なんとかしたいものです。

そんな時、重要な見本となるのが、『怒らない人』

海外を旅していると、怒りやすい人ばかりの国や、怒らない人の多い国がわかります。

そんな中でも、常に怒りまくっている人と、全く怒らない人が隣合わせで共存する、インドという摩訶不思議な国があります。

ここでは、怒る本質的な意味や怒らないヒントを探るために、インドでの体験談と共に怒らない人を深掘りします。

  • 怒らない人の育ちを知りたい
  • 怒る怒らない仕組みを、意識という根底から考えたい

とある定食屋には怒らない店主と一家がいました。

そんな一家との関りで気づく、怒りの根底。

怒らない人の内情と共に、怒らないヒントを知るご参考になれば幸いです。

怒らない人の育ち

怒らない人のタイプ

「怒らない人」という表現は、いくつかのタイプを内包します。

怒らない人のタイプ
  1. 怒る必要がない人
  2. 怒りたくない人
  3. 怒り方を知らない人

それぞれの紹介をしていきます。

 

①怒る必要がない人

怒る意味を知っており、必要ないがために怒らないタイプ。

穏やかな人です。

マイペースで他からの影響に翻弄されず、自らの感情と欲望に飲み込まれず、コントロールする人。

物事を客観的に捉え自分と他者の線引きや区分けが上手な(尊重できる)特徴があります。

 

②怒りたくない人

このタイプは、怒らないために頑張ってきた人

我慢強く、自己ルールが多く、自律が強い人。

他人に興味がなく、期待しておらず、個人主義や自立意識が強い人でもあります。

「良くない、怒ったら幼稚、恥ずかしい」など、自己表現における不利益がある怒り、発散せずに抑える動機があります。

周りを気にするタイプであり、自己抑圧に耐える我慢強さと、個を重んじるさまが特徴です。

 

③怒り方を知らない人

本当の意味での怒り(アウトオブコントロールの激昂)しか知らない人。

このタイプは感情や欲に忠実でして、幼い頃に自己防衛のために怒りを存在しないものとして封印した可能性があります。

純粋で、感覚的で、衝動的な人。

自己愛が強く、欲に真っ直ぐで、恐怖心を徹底的に嫌がる人。

怒ると悲しく、寂しく、虚しくなる特徴があり、怒らない訳ではなく怒り方を知らない人。

怒る経験が少なく、なるべく怒りとの接触を避ける潜在的(無意識)な生き方が特徴的です。

※怒る理由は、怒りのスピリチュアルはエネルギー|愛と表裏の関係を持つすぐキレる訳 をご参照ください。

 

怒らない人の育ちの始まり、道の選択

タイプによって怒らない意味は変わりますが、そもそもの大前提に考えたいことがあります。

「赤ちゃんの時、けっこう怒ってたような?」

抵抗や反発感、心地悪さや違和感を与えられると、「んもうっ!」

おそらく誰しも幼い頃は怒っていたと思います。

ミルク飲みながらトロ~ンと心地良く、眠ろうとしてたのに抱っこされたら、「オーギャ!(んもうっ!)」

怒らない人はこの過程を経ながら人それぞれに派生し、怒る意味を知って穏やかになったり、怒る行為を嫌がって自律と我慢を強めたり、怒ることの怖ろしさを知って封印したり。

どの道を行くかは生育環境、または意識が大きな要因だと考えられます。

選択肢は三つ。

  1. 怒る意味を知る道(タイプ①)
  2. 怒る不利益をなくす道(タイプ②)
  3. 怒りとの関りを抹消する道(タイプ③)

それぞれに育ちがありますので、見ていきましょう。

怒りとは自己愛の反発であり、愛を貫けない憤りやイライラ。

誰しも怒っていた前提があり、どうやって怒らなくなっていったかの道が育ちによって変わる、という考え方です。

 

怒らない人のタイプ別育ち方

怒らないタイプ①の育ち:怒る意味を知る道

穏やかな人。

怒る意味を知る道を歩む、そんな育ち方です。

育ちの特徴は、「怒るとどうなるか?」を理解できる、させられる環境があると考えられます。

そんな生育環境には、このような特徴が見られます。

怒りを知る育ち方
  1. 怒った時にどうして怒ったか考える
  2. 怒るとどういう気持ちになり、相手をどういう気持ちにさせるか考える
  3. 怒られた時に、怒られた理由や意味を教えられる
  4. 自分で捉えて、考える機会を与えられる

「怒り」を知るために考える機会を与えられる育ち。

「どうして怒ったか?」を理解するために、怒りの感情や欲望と向き合う場を、親など周囲の人々によって設けられます。

親から怒られた時には、どうして怒ったのか理由を伝えられることで、怒る・怒られる両方の意味を理解しながら、怒りとの向き合いが進みます。

ポイントは、自責と客観力を高める生育環境
※自責とは、自らの行動を認めて自覚を持つこと
※客観とは、俯瞰する第三者目線や広く認識する力

例えば、親から怒られた時の理解は、「どうしてあなた(子)は怒られたのか、どうして怒られなければならなかったのか?」ではなく、

「どうして私(親)はあなた(子)を怒ったのか?」

「あなたがいけないから私は怒った」ではなく、「私はあなたのこれに対して怒った、その理由はあなたにこうして欲しかったから」と自分の思考と行動にフォーカスする、自責ある着眼で伝えます。

怒るとは相手がどうこうではなく、あくまで自分が生み出したものであり、自分の所有物であり、生み出したいから生み出したという自責や目的が認識されます。

同時に、相手から怒られることは、相手が怒りたいからであり、自分が相手に怒りたいと思わせる動機を与えたからであり、という具合に個々を主体にした認識が促されます。

他者を私物化して支配したり、執着や依存によって自他のどちらかを消す認識(排他や無尊重)がなくなり、押し付けや強要にて相手の主体を消す行為もしなくなります。

自分のしたこと相手のしたことを個々に捉えながら、お互いを尊重する関わり合いや自他の線引きを学ぶ育ち方。

怒りは相手を支配、コントロール、思い通りにするための攻撃性ではなくなり、自らの感情や欲求、いわゆる自己愛との向き合いになります。

怒りの意味を知ることで、他者への期待、依存、支配、自己への抗い、自己愛の抑圧をしない在り方にシフトしていき、自然と怒る必要性がなくなっていきます。

 

怒らないタイプ②の育ち:怒る不利益をなくす道

心地悪さ、後悔、羞恥、虚しさ、損失、疲れ、ストレスなど、怒ることでの不利益を嫌がるタイプ。

いわゆる、無駄が嫌い、現実的な人。

「怒っても利益なし、むしろ損失が多い」と考える場合、怒ることは不毛になり、怒らないという合理や生産性を優先したくなります。

このタイプの育ちに影響するのは、とにかくたくさん怒った過去です。

怒りまくる過去は、徹底的な不納得と不満足を与えられる環境であり、強制や強要、決め付けや押し付けの縛り、自己愛の抑圧。

略して、グルグルの刑を受ける育ち

私がそうですが、この育ちをしながら怒らなくなる人は、とにかく不納得を与えられながら我慢してきた人だと思います。

しかし、黙って体育座りしていた訳ではありません。

思うようにさせてくれない、したいことができないなど、他からの縛りによって怒ってきたため、他からの影響をなくす個人主義に走ったり、鍛え上げて自力で生きる努力をします。

反骨心、反発感を活かし、「なにくそ精神」で自己フォーカス。

他からの影響によって不満や不納得が発生しても、自らで対処解決。

縛り上げられたがための反発や我慢力を糧に、自ら物事を捉え、考え、失敗し、調整し、改善し、自らを向上させる道を選んだ結果、他からの影響に翻弄されなくなります

他者に期待しなくなり、干渉しなくなり、他に介入しないので怒る理由がなくなります

憤るのは自分の不甲斐なさ程度ですが、自己対処できるために問題ではなくなり、自らの機嫌も気分も感情も欲望もコントロール内に収めます。

我慢や縛りを課せられた育ちだったからこそ、反骨精神や自立意識が強い人は怒らなくなります。

 

怒らないタイプ③の育ち:怒りとの関りを抹消する道

最後のタイプは、怒る経験が極めて少ない人です。

人によって生育環境が極端に変わると考えられます。

  1. 周囲は心に余裕のある人ばかりで、怒る機会がそもそも少ない
  2. 幼児期から厳しく躾され、泣きわめくのが許されなかった

両者に共通しているのが、怒ることの教育をされていない、する機会を消された。

例えば、ギャーギャーとダダをこねると母親が急に優しくなった、なんて経験があれば、「お、使えるな」と子供ながらに怒る意味を見出せます。

親などに教育されずとも自ら学べるのが私たち人間の能力です。

正しいかどうかにかかわらずこの機会がない、または自ら学ぶ機会を奪われる育ち方をすると、怒り方がわからず、怒る意味もわからなくなります。

知るための学び、経験側がないと扱いがわからず、無知

相手を支配し、自分の思い通りにしたり、欲求をまかり通す強要など、意図や目的を怒りの感情に組み込めません。

怒りによって不納得や愛の反発を表現する狙いや企みがなく、怒りを知らない状態で怒るとアウトオブコントロールになります

激昂し、自分を見失い、猛烈に体力を使う働き、さらにその狙いがわからない状態は、非常に悲しくて虚しいものがあります。

自己愛が強く、感覚的で、衝動的な人、そして怒りに無知な人ほど、このような仕組みが構造されます。

[怒り=喪失感を生む=悲しくて虚しい=愛の欠乏認知=何がなんでも怒りと関わりたくない]

怒ることが怖いものとして記憶され、意図的に怒りとの距離を取るようになり、不納得や不満足があっても感情の本音を隠したり誤魔化したりと封印。

長年の在り方で無意識になり、気づけば怒らないための誤魔化しを極めている、そんな育ち方です。

 

怒らない秘訣を知る体験談:インド人大家族はなぜ怒らない?

この内容で特にお伝えしたい怒らない人は、穏やかで怒る意味を知っているタイプ①です。

怒らない内情によって、「怒るとはなんなのか?」がわかりやすくなりますので、私が出会った怒らない大家族のお話をご覧に入れます。

インドのビハール州に約二ヶ月間通った定食屋は、入口ドアもない半分外みたいなお店。

結構なボロボロ感はありますが、お父さんは毎日何回もお店を掃除するので、ハエはすごいけど綺麗。

自宅の一角を使用しており、九人一家で営み、ローカル感満載。

貧困地域の多いビハール州、感情をむき出す人々がとにかく多い印象を持ちましたが、店主のお父さんを初めみな穏やか、怒るさまを見ることがありませんでした。

お父さんはとても素直な方でして、いつも穏やかに店前に座り、店の柱として働きます。

私が見えると挨拶と握手を毎回してくれる、とても感じのいい方。

このお店で必要な食材や大量のチャパティなどを仕入れる屋台が多く、地元の人々がよく出入りします。

屋台の人は、「量を多くしろ、高い、もっと出せ」などと好き勝手一方的に言う人が多いですが、店主が怒ることはありません。

近所の人々は洗面台と水を使うためだけに訪れ、近くで働く人々は持参のお弁当を食べる場所として使い、おっちゃんとおばちゃんは暇つぶしと雑談場所のためにお店を占領します。

座席がないのでお客さんが入れない。

誰も1ルピーも払わない。

しかし、店主が怒ることはありません。

たまにずっとお店を狂気な目で睨み続ける人もいますが、それでも怒りません。

私は毎日のように行っていたので一家と仲良くなり、パーティに誘われたり、一緒にご飯を食べるようになり、一家のみんなが怒らず穏やかであることを知ります。

幼少から青年、中年から高齢まで幅広い一家。

関わって気づいたのは、みな家族の誰かを敬い、自分の考えを持っていることでした

例えば、子供達は店主であるお父さんと仲良しでありながら敬っており、お父さんが何か言うと素直に聞き入れます。

お父さん自身が両親と関わる際にも敬いが表れ、子供に対しても各々の意見を聞く耳をしっかり持ちます。

年功序列のルール縛りにも思えますが、お父さんは子供達の将来は好きにさせたいようで、自分の望む道を歩んでほしいとのこと。

娘は英語を学び、もう一人の娘は日本語を学び、その下の息子は二人から学んで英語と日本語を話します。

育ちには一家の繋がりや構造の整理整頓が見られます。

家族間の関係性に亀裂や水溜まりがなく、綺麗な川のようにスムースに流れています。

自分の考えや知っていることを伝え、伝えられた側はさらに自らの知識を追加し、別の家族に伝えていきます。

この継承のスムースさには、家族間の繋がりと、自ら考える在り方が顕著でした

知っていることは教える、しかし押し付けず、自分の捉え方や考え方も大事にする。

これによって自分と他の両方をないがしろにしないため、個人主義に行き過ぎず、他に依存して甘えることもない。

怒らないインド人一家によって私が考えさせられたのは、家族間の繋がりに抵抗がなく、知恵を伝える継承によって怒らなくなることです。

自立を重んじながら、依存しない育て方。

個を大切にしながら、繋がりを重んじる生育環境。

この二つの合わさりに、怒るとは何かの本質があると、考えさせてもらえた体験談です。

 

怒らないためのヒント

みんなでマンモスをとっ捕まえる時、チームワークを崩す存在がいれば怒りが湧き出て、攻撃的に排他するのは当然かもしれません。

怒りは特に対人関係にて発生し、共同の中で生まれやすいです。

コミュニティに依存していればいるほどに怒る意図ができやすく、他を排他する意識があればあるほど怒る動機になります。

そして、怒りとは何なのかを知らなければ知らないほど、感情を見つめる暇がなく、余裕がないので自然と発散してしまいます。

そこで、怒らないためのポイントとしてお伝えしたいのは二つです。

  1. 家族間の繋がりの抵抗のなさ
    ※家族は条件ではなく、人と人が繋がれるコミュニティの意
  2. 自分で物事を捉える認識力

共同意識が高く、みんなが結束していれば、怒りは自分のための自己表現ではなく、他者のための厳しさや説教にできます

自分の考えや物事の捉え方があれば、自立意識を持ちながら他を尊重する目線を持ち、他への排他がなくることで怒る必要性を考えてコントロールできます

共同意識を持ち、他を排他しない、そんな自らの在り方を学ぶ環境で育つ人は怒らない。

表現を変えると、自分を大切にしながらも、他との繋がりも大切にする在り方

このことから、他者も含めた自分に対して価値や感謝を見出せると、怒らない仕組みになる、と考えます。

繋がりと自分の考えを許せる環境が重要。

育ちに関係なく、今からでも怒りを学べるのが人間のいいところですね。

 

まとめ:怒らない人の育ち

  • 怒らない人には、①怒る必要がない人、②怒りたくない人、③怒りを知らない人の3タイプある
  • タイプによって、①怒る意味を知る環境、②怒る不利益をなくす動機の見出し、③怒りの無知によって封印、の3つの育ちがある
  • 怒る必要がない人の育ちは、怒る意味を知る教育環境にて自責と客観視を学ぶ
  • 怒りたくない人の育ちは、たくさん不納得や不満足を与えられることで、反骨と反発心を糧に自立と自力を高め、怒る不利益をなくす努力の動機がある
  • 怒りを知らない人の育ちは、怒りを知る機会がない、または怒ることを許されなかったがために、怒りの扱いがわからず距離を取る在り方になる
  • 怒らない人々と関わってわかるのは、人と人の繋がりを重んじて、自らの考えを持たせる尊重が生活にある
  • 共同意識を持ち、他を排他しない、そんな自らの在り方を学ぶ環境で育つ人は怒らない
  • 他者も含めた自分に対して価値や感謝を見出すことが、怒らないためのヒント
  • 逆に言うと、他者を含めず、排他意識を強め、感謝せず、自らの価値が見出せないと、怒りやすい
  • 「自立して、依存しない」の組み合わせに怒らない仕組みがある

自立、共存。

共同意識、尊重(無排他)。

二つが合わさることで怒りを深く知り、コントロールできます。

怒らない以上に重要な、怒りを知り、怒る必要性と選択の明確化。

育ちの理解がご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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誰しもに人生を変える機会と選択があると信じています。

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※これは長期的に本気で変わりたい方専用です。

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