育ち

素直な人の育ちは自己コントロールの学び場【愛と機会に溢れた環境】

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「今日も定食屋の素直なご主人は、私を喜ばせたい一心で頼んでいない料理をひっきりなしに出してくる」

そんなご主人は他のお客さんが来て、「定食ちょうだい」と言われると、「今は飲み物しかないよ」と平気な顔で言います。

めんどくさければ作ろうともしない。

私は素直な国の素直なお店で、素直な人の素直さにハマっています。

そんな素直さ、実はとても難しい在り方であることをご存じでしょうか。

ここでは、素直な人の育ちを紐解き、素直とは何なのかを一緒に見ていきましょう。

  • 素直な人は育ちがいいのか知りたい
  • 素直になるためのポイントを理解したい

ガンディーの無抵抗の貫きは素直さによる力、純粋なだけでは貫けない。

そんな純粋との違いがある素直、幸福を寄せ付け、豊かさを作る原動力となります。

紐解きは精神と大きく関係していますので、一つの人間理解としてご参考になれば幸いです。

素直な人の育ち

素直な人とは?

素直:
① 飾り気がなくありのままであるさま。素朴。質朴。

心の正しいさま。ねじけた心、腹黒い心などを持っていないさま。正直。

③ 心や気だてが他に逆らわないで、おだやかなさま。
※コトバンク引用

ずるさや嘘臭さ、誤魔化しや偽りのない“善”という具合かもしれません。

そんな“善”を象徴するのは、『心の正しさ』

一体なにが心の正しさなのか、少しわかりにくい言葉ですが、明確なことが一つ言えそうです。

「心が正しいかどうかは自らが自らと向き合い、その場その時に正しいかどうか判断し、見直せるかどうか」

そんな素直な人、一体何者なのでしょう。

僧侶?

聖人君子?

純粋無垢な子供?

特徴を見ていただくとあることがわかります。

素直な人の特徴
  1. 自尊心が高い
  2. 自らを大切に愛する
  3. 感覚的、直感的
  4. 思考が真っ直ぐ、ひねくれていない
  5. 感情や欲求に真っ直ぐ、抑圧しない
  6. 嘘をつかない、自らを偽らない
  7. 他者を否定せず、認める
  8. 心が綺麗、純粋
  9. 人の意見を聞く
  10. 時に騙される
  11. おおらか、余裕がある
  12. 傷つくと大いに傷つく
  13. 楽しいと大いに楽しむ

なんというか、「自分にも他者にも真っ直ぐだな」という印象ですね。

この特徴から見出される在り方が、[自分との向き合い+正しい行いをする選択]です。

 

素直な人の決定的特徴

決定的特徴は、『素直な人は自己コントロールが上手』です。

感情コントロール、思考コントロールなど、自らを支配せず、自らに翻弄されない精神状態。

「私は私の取り扱いをどうすればいいかわからない、あぁぁ、どうしよう」と精神的余裕がなくならない状態です。

自己コントロールできる人は、自らを誤魔化し、偽り、騙すことがないのを初め、抑圧や無理強いを課しません。

心身に溜まる汚れた念や無用なゴミを残さないため、アウトオブコントロールで突然キレだしたり、暴れたり、TPOをわきまえずに怒鳴り散らしたりしません。

他者を否定せず、逃げ道をなくして責めたりせず、相手の意見を聞き、自らの意見と照合し、受け止めたり受け入れたりと、柔軟かつ正直に関係性を持ちます。

はっきり言う時は言い、叱る時は叱り、耐える時は耐え、泣く時は泣き、聞く時は聞き、真面目な時は真面目になり、遊ぶ時は遊びます。

自分と向き合い、正しい行いを選択しているからこそ、素直さが表れます。

仏教の創始者であるブッダは、正しさをこんなニュアンスで説いています。

「正しいとは、客観的で合理的でバランスの取れたさま」

物事は常に移り行くため、「これが正解、正しいんだ」と固定される概念は存在せず(決め事として記憶はできる)、

その場その時で正しさは変わるため、如何に今この瞬間の正しさを理解できるか。

このために自らの思考・感情・欲望・本能など、あらゆる言動と向き合う必要があります。

如何に移り行く正しさと向き合えるかに素直さがあるという考え方です。

 

素直な人の育ち:自己コントロールを学び続ける

素直さのキーワードは自己コントロール。

一見、「え、本当にコントロールしているの?」と思えそうですが、自己コントロールできている人ほど、「私は私をしっかりコントロールしているぞ」なんて思いません。

本当に自信がある人ほど謙虚であるように、本当に能力が高い人ほど自己主張しないのと同じです。

この無意識レベルの自己コントロールは、自らとの向き合いを促し心の正しさを見出す基盤となります。

これを幼い頃から学び続ける環境が、素直な人の育ちにあります。

 

生育環境:自分と向き合い、自己解決するための学びの機会、サポート

素直な人は自分と向き合うための機会を幼い頃から貰い続けている、と考えられます。

自分と向き合うとは、誤魔化したり逃げるなど楽な道に逸れない意味

物事を最後まで完結させ、自分の言動や感情、欲求や目的に対する自覚、責任を持つことができます。

この向き合いは、精神が未熟で幼ないほどに誤魔化して逃げるのは当然です。

嫌なことがあれば現実から目を背け、認めたくなければ嘘をついて誤魔化したくなります。

幼ければ幼いほど、自分と向き合えるかどうかは周囲から機会を貰えるか、サポートがあるかがポイントです。

例えば、私のようなひねひねくれものは、見捨てられる絶対的恐怖や、いつ何が起こるかわからない不安を味わい続ける環境で育っているため、自分との向き合いを放棄して逃げるか、自力を異常に育んで他者を一切信用しない、なんてことになり得ます。

素直な人は甘えず、見捨てられずのバランスの取れた環境で自力を育む機会があり、親など周囲に感謝の気持ちを持ちながら、自他共に信頼し、世の中も信頼します。

心理的に言うと、親から愛を貰うことで基本的信頼感をしっかり得ており、行動して、失敗して、反省して、新たに試して、変化させて、学ぶという一連の成長段階を確実に歩む経験です。

基本的信頼感とは、
乳児期(0~18ヵ月)に親など養育者に対する信頼を取得し、自分の存在を肯定的に捉えられる感覚。
※エリク・H・エリクソンの提唱した概念

生育環境での周囲のサポートがしっかりしており、片親で父親に育てられた場合、父親からのサポートが明確です。

「大切に育てられている」とも言えるのですが、より印象強いのは、「自分と向き合う機会を与えられており、見守られている(見捨てられると思う可能性すらない)」

[自分から目を背けて逃げないためのサポート+信頼という安心が絶対的にある環境]

例えば、お金持ちだからといって甘えたお坊ちゃんになるのではなく、若い時から社会経験するためにアルバイトを親が促し、そして自らも進んで学ぼうとする。

人によっては自己解決できないと認め、親に助けてもらいながら一緒に解決することで、「私はこれができない、でもこれができて、これは助けてもらえればできる」とはっきりさせる、そんな自己との向き合いもあります。

甘えさせず、何かあれば助ける見守りの中で、個人としての成長を尊重するサポート環境で育っている。

この結果、自らを信じ、他者を信じ、世の中を信じ、信頼の中で自己コントロールを無意識に学び続けていく、という考え方です。

 

素直な人の育ちは、純粋な人の育ちと全く違う

素直な人と純粋な人の違い

これまでの内容から、「素直な人はもっと感情表現豊かで、時折自己コントロールできてないような?」と思うかもしれません。

素直だから情報を鵜呑みにして、期待に応えようと一生懸命頑張り、脇目も振らずに一点集中し、映画館でワンワン泣いている、なんて具合ですね。

この場合、素直な人と純粋な人が混ざっている可能性があります。

素直な人は純粋な人でもあるのですが、純粋な人が素直かと言うと別のお話になります。

わかりやすくなればと思いますので、両者を明確に分けます。

何が違うのか最も明確になるのが、『信じられる範囲』です。

素直な人は自己コントロールを育むための生育環境があり、自らと向き合い、自らを信じ、他者を信じ、世の中を信じられる育ち方をしている、と知っていただきました。

この信じる範囲の広さによって、物事から目を背けずに向き合う範囲も広がり、より素直にあらゆる現実と向き合いながら、正しい行いを選択できます。

一方、純粋な人は真っ直ぐで正直でありながら、自己コントロールがあるかどうかは人によって大きく変わります

そして、自らに対する強烈なまでの信じる力(欲)があり、範囲が狭くてギュッと濃い状態です。

素直な人と純粋な人の違いは、自らを絶対的に信じているか、信じたいか。

  • 素直な人は生育(実経験)によって信頼を取得
  • 純粋な人は自らを信じたい欲求や念の保持

シンプルに、自分を信じているのが素直な人、自分を信じたいのが純粋な人です。

素直な人は自分と他を信じますが、純粋な人は自らを信じようと自己内部にギュッとフォーカスが強まります。

この信じられる範囲の違いによって、素直な人の育ちがよりわかりやすくなります。

 

素直な人の育ちは自他両方への愛を抱く

純粋な人の信じたい在り方は、欲の強さと保持を意味します。

とても大切なことでして、正直で真っ直ぐに自分の感情や欲求と向き合いますので、自己愛の強さを意味します。

一方で、周りが見えなくもなります。

例えば、インドの父と言われるマハトマ・ガンディー氏は、無抵抗を貫いたことで知られています。

無抵抗の力は自分だけでなく他者、さらに敵まで信じることで貫けると考えられます。

これを純粋な気持ちだけで成り立たせるのは無理があります。

自分を信じたい気持ちや欲求で成り立たせる場合、「これが良いに決まってる、私は間違っていない」と純粋に思うので、結果的に押し付けてしまう可能性があり、戦いを引き起こします。

結果は真逆にすらなり得ます。インドのOshoやその秘書がその典型例だと思います。

信じる範囲の広さは周囲の他も含めて信頼し、そこに素直さがあります。

これは、自分と他の両方によって自らが成り立っていると理解していることであり、他を信頼することが自らを信頼し、自らを信頼することが他を信頼する在り方を作ります。

信じる力が強ければ強いほど、自他を愛する気持ちが強まります

素直な人の育ちの真骨頂は、自他共に愛する気持ちを育む環境を与えられ、かつ自ら学び続けたことです。

 

育ちのポイント:信頼による自己コントロール

しつこいくらいに『自己コントロール』とお伝えするのには訳があります。

自己コントロールには[自己]という言葉があるので、自分だけのことだと思えそうですが、実際は違います。

自分のことを他(外側から)も含めて捉え、正しく把握し、正しく行動すること。

自己コントロールするには、自己理解を深める方法とは別に、自他を信頼することで「理解したい」と成長を自然と促す方法があります。

素直な人は後者。

信頼によって自己コントロールを自然と学びます。

自分と他の両方を信頼する力を持つ結果、自己コントロールを無意識に学び続けている。

自分を信じている人は自尊心が高く、自己受容ができており、とにもかくにも自分という存在に対して余裕を持った付き合いができます。

アイデンティティが確立され、ブレにくくなるため、周囲から何を言われても素直に認め、柔軟に受け入れ、翻弄されません。

さらに他を信じられるために他者への敬いがあり、否定せず肯定し、その人をその人として受け入れる愛を持ちます。

時に利用されたり、騙されやすいというデメリットもありますが、それも含めて認めるのが素直な人ですので、経験を成長や変化の材料にしてしまいます。

この基盤となる育ちによって、何が正しいかどうかをちゃんと自分の目で見て、頭で考えて、心で感じてきた経験値の高さがあります。

嘘をつけばどういう気持ちになるか、
心を閉ざされるとどう感じるか、
現実を逃げればどう目を背くか、
誤魔化されればどう心が痛いか、

あらゆる自己認知を逃さずに捉えます。

ここに大きく貢献しているのが親や養育者などの他であり、周囲に信頼を持てた育ち方です。

本人も素晴らしい人間性があり、それをしっかり養っており、自分を大切な存在だと意識せずとも認識します。

以上から、自己コントロールを学び続ける生育環境を与えられることは、自他両方を信頼し、愛する育ち方をした、という考え方です。

 

素直とは育んで力を身に付けた結果

これまでの内容から、素直とは勝手に身に付いたチャイルドワンダーランドの継承ではないと知っていただきました。

素直な人は好かれ、人が寄り、慕われ、愛されます。

他を聞き入れ、招き入れ、受け入れ、改善し、変化し、成長していきます。

わからないことはわからないと認め、わかったことはわかったと認め、自らを認め、他者を認め、世の中を認めます。

このような人は敵を作らず、自然と見方が増え、守られ、助けられ、与えられます。

運が付き、縁が巡り、流れができ、幸福が循環し、豊かさを得続けます。

「幸運者だ、ラッキーだ、育ちがよかった」では片づけられません。

全ての根底には、与えられた環境を受け入れ、自分とは一人では成り立っていないと悟り、素直になるために学び続け、今も学び続けているスタンスがあります。

素直な人は無意識に努力している人が多く、努力を努力だと思わず、苦労を苦労だとも思わず、誰よりも頑張り、周りを見て、自分を見て、日々を生きています。

報いであり恩恵は与えられるべき人に与えられています。

私がこれまで出会った素直な人で不幸な人はいません。

自ら幸せを得るための長い努力と継続があり、幸せは与えられるべき人に与えられていると教えてくれる、そんな象徴が素直な人なのだと思います。

 

まとめ:素直な人の育ち

  • 素直とは心の正しさであり、嘘偽りのない“善”
  • 目立つ特徴は、[自分との向き合い+正しい行いをする選択]
  • 決定的な特徴として、素直な人は無意識な自己コントロールが上手
  • 自らの心と向き合い、正しい行いをするために学び続ける環境で育っている
  • 甘えさせず、何かあれば助ける見守りの中で、個人としての成長を尊重するサポート環境で育っている
  • 自分だけでなく他に範囲を広げて信じられるため、純粋な人とは違う広範囲の正直さ、自他への向き合いがある
  • 自己コントロールの方法が自己理解以上に、自他を信頼することでの「理解したい」という愛に基づくのが特徴的
  • 自己コントロールを学び続ける生育環境は、自他両方を信頼し、愛する育ち方をした意味
  • 幸せになるための見えない努力をし続けているのが素直な人であり、その基盤を作る育ちがある

親や周囲のサポート、関りによって一緒に成り立つ素直さという心の善。

これを真に実感できるのは環境を貰った張本人であるため、感謝や愛、尊重や思いやりを忘れず、自らの子供や周囲の人々に無意識に継承していきます。

そんな好循環と人間の素敵な在り方に信頼があり、自己コントロールがあり、正しさという移り行く真理があるのだと思います。

素直さによって精神理解を深めるご参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

『心理とスピリチュアルの学び場』

誰しもに人生を変える機会と選択があると信じています。

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※これは長期的に本気で変わりたい方専用です。

POSTED COMMENT

  1. 森の小人 より:

    北斗さん
    ありがとうございます(*゚∀゚*)

    瞑想って、一体なんなん???ってずっと思っていたのですが、少ーしだけ少ーしだけ意味がわかりました!
    北斗さんには何でも見抜かれてる感じがしますね笑
    もう一度よーく読んでやってみます!
    いつも素敵な記事ありがとうございます˚✧₊⁎❝᷀ົཽ≀ˍ̮ ❝᷀ົཽ⁎⁺˳✧༚

  2. 森の小人 より:

    親ばかながら?笑
    我が家の子の素直さ、この記事、北斗さんの洞察の通りだなぁと思いました。
    きっと私の努力は無駄にはなっていないんだな…と、改めて報われるような思いです。
    私は保護者の中でも割と一人でもさっさと行動、ほぼ群れずにちょいちょい誰かとニコニコ話しながら一人で過ごすタイプだけど、子どもはいろんな友達に好かれてしょっちゅうお誘いを受けている幸せな人です。
    今ある幸せに慢心することなく、自分自身と周囲の人を大切に、私の生きた世界の先の世界へと歩んでくれるならこんなに嬉しいことはないかも。

    そして、北斗さん。
    私、北斗さんに瞑想の基本についてお尋ねしようか少し迷っていました。
    今回北斗さんが少し更新しなくなるという記事を読み、しかもそれが私が聞こうかどうしようか考えていた内容のことが書いてありびっくり、これってシンクロ?って感動しました…!
    ちょっとびっくりして言えなかったんだけど。。
    いや、もしかしたらそうじゃないにしろ、北斗さんのお帰りを楽しみに待っています。
    北斗さんありがとう、ありがとう°˖✧˖°

    • 北斗 より:

      いつもありがとうございます。
      無事、戻ってまいりました。

      素直になれるのは周囲のサポートのおかげが大きいですね。
      お子さんは、「人間は一人で生きていない」がよくわかる存在になるでしょうね。

      ちなみに瞑想については、最近アップした『自分を大切にする』の記事に基本となる[気づき]を書きました。
      ご参考になれば何よりです!

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