「あれっ、今日は不機嫌スイッチオンですね」
ピリピリと、「今日の私は不機嫌なんです」とスピーカーで選挙活動しているばりのオーラ。
「バチバチ、痛っ」と本当に感じたことがある人もいるでしょう。
あからさまな不機嫌をあからさまに態度として示す。
それはまるで、「この不機嫌の意味、わかっているよね」と実は顔面擦れ擦れに近寄ってくるドスの効いたドヤ顔行為。
職場や家族など、共同と空間で構成される環境でピリピリオーラを出されると、何かと周囲に迷惑がかかります。
ストレスになったら危害とみなし、戦いが起こりかねない、そんな元凶者。
何かと対処しておきたいものです。
あからさまに不機嫌な態度を表す人には、明確な自己表現があり、集団を糧にした「ある目的遂行」が行われていたりします。
そんな心理を理解すると、不機嫌な人への対処法がわかります。
私が働いていた時、ほとんどが女性の職場でした。そこではピリピリオーラは日常茶飯事でしたので、そこで磨いた静電気除去ばりの、不機嫌人の内側と対処法をお伝えします。
思い当たることがあればご参考にされてください。
Contents
あからさまな不機嫌な態度

あからさまな不機嫌な態度とは?
舌打ち、眉間のシワシワ、膝のガタガタ、キーボード打音のでかさ、目力のギュンッ、ドアのバンッ、横柄な態度、無視していると知らせる無視、他者との明確な態度の違い…。
不機嫌な態度は人それぞれに表現されます。
そんな不機嫌な態度には明確な意味があります。
自己主張です。
「私は不機嫌です、イライラしています、怒りを内包しています」という表現。
そこにこれが追加されます。
「この状態をわかって欲しいと思っています」
ここで自己主張に変わりました。
欲望に基づき自分の状態を知ってほしい、周囲への認知拡散、まさに選挙活動と同じ事が起きます。
欲望に基づくため、「自分の利益を得たい」という意図があり、利益という名の納得や満足、または不納得や不満足の解消を得ようとします。
どこから得ようとするのか?
自己主張からですので、他者の反応や対応です。
「あからさま」にすることは利益拡大の手法、選挙活動で地声でモニョモニョしていても意味がない、「駅前でスピーカーじゃ!」という話です。
ここで一旦わかりやすくしましょう。
あからさまな不機嫌な態度とは、自己主張によって他者から自分の利益を得る方法。
「自分の利益になるので、常に不機嫌な態度をとればお得じゃないか」と思えるこの行為ですが、実は本人は不機嫌になりたくてなっているわけではありません。
不機嫌になるとは、自分の中で憤りを作り、不納得や不満足がある状態ですので、本人としてはこの状態は心地良いものではありません。
では、どうして不機嫌になるのでしょうか?
内情を見ていきましょう。
すぐ不機嫌になる人の心理
わかりやすくするためにも、「すぐ不機嫌になる人」を題材にしたいと思います。
気に食わない、納得いかない、思った通りにならない、満足できないと、すぐ不機嫌になる人がいます。
憤りやイライラ、機嫌が悪くなると表れる兆候があり、そこから怒りや無視、他者と態度を変えたりと自己主張の方法へ進展します。
不機嫌にあるのは憤りやイライラ、自己コントロールができない違和感やジレンマがあり、自己理解を逸脱した状態が考えられます。
いわば、自分の中で起きていることを自ら理解できない、またはしたくない。
自責がないと考えられます。
この状態を一言で表すと、自分で責任を持つことは、他者の責任を負うという意味ではなく、自らの行動や思考を自らで認識している、信じていることです。
「今、私は不機嫌を表現したい、自己主張してこの状態を何とか知ってもらいたい、そして私自身のことをもっと知ってほしいから不機嫌になっている」という自覚が責任です。
すぐ不機嫌になる人は他責。
自らの不機嫌を主張し、他者に責任を負わせようとする心理が考えられます。
ここにあるのは、自立のなさ、他者への執着、上下関係が主体、甘え。
他者への執着と依存が強く、人間関係は上下関係で常に上か下、損か得、良いか悪い、満足か不満足、納得か不納得など、利益が自分か相手かに出る関わりになりがちです。
対等な関係の概念がなく、「責任は持つ」ではなく、「責任は負う」という認識をして、如何に負わないようにするか、負わせるかとなりかねません。
ここにあるのは利用概念、人を利用します。
反対に本人にとっての優しさは、「利用させてあげる」になります。
この心理があると、自己主張はかなり有効的な他者利用方法、自分の利益を得るための利用価値になります。
他責になると、目の前の利益を優先する脳内認知から、先読みや未来を含めた包括的な認識になりずらく、「今、イライラ、目の前においしいお肉、ガブリ」と。
言い方を変えると、自分と他の関わりに素直であればあるほどに不機嫌な態度が表れ、子供のように自立がない状態としての在り方に真っ直ぐ、目の前の自分の利益にまっしぐらです。
不機嫌な態度の目的
不機嫌な態度をとる目的と対象
不機嫌な態度には、自分の利益を他者から得ようとする意図がありますが、そこには内部の緻密な目的があったりします。
自他の境界をなくし、自分のテリトリー空間を広げることです。
不機嫌な態度をとる人は、怒りを露にして暴言を吐いたり、陰口で誹謗したり、中傷して攻撃する人とは違います。
愚痴や文句、批判や否定をして、人からエネルギーを奪い取ろうとする人とも違います。
主張という表現をする空間を広げ、自分の存在を周知し、認知を広げて忘れさせず、自己の存在を確証したり、注目を集めて価値を見出したり、かまってもらって大切にされていると認識しようとします。
いわば、他者に直接手を加えず、自らの表現力に全てがかかっている。
イメージとしては漁。魚という自分の利益を得るために、ネットという表現力を如何に大きく、または取り逃さない良質さにするか。
野蛮で動物的ではなく、人間的で知的な姿。
そんな方法となる不機嫌な態度は、漁の始まりを意味します。
ネットを如何に広げ、取りこぼしをなくせるかが重要でして、そこで不機嫌な態度をとる人は自他の境界をぶち壊そうとする、そんな一工夫の人間味が加わります。
「自他の境界ぶち壊し作戦」と名付けておきましょう。
これがあからさまに不機嫌な態度をとる目的です。
境界をなくして他者を自らのテリトリーに入れ込み、不機嫌の認知を広げます。
- 「うわっ、この人不機嫌だ、気を使うわ~」と周囲が思うのは、このテリトリーに入った状態
- 「あぁ不機嫌そうだね、で?だからなに?」と気にしない人はテリトリーに入っていない状態
如何に表現場である空間テリトリーを支配するかが、不機嫌人の表現力、いえ、ネット力となります。
「おはようございまーす」と職場に入ってきた時、そこは既に空間。四方を仕切られた空間があればあるほどに、不機嫌の表現力となるテリトリー支配は容易になります。
そのため、職場や家など空間で閉じ込められる場所であれば、不機嫌人はあからさまに態度を表すことに意味があり、利益を得やすい環境活用ができます。
言い方をシンプルにすると、誰も知らない人しかおらず、さらに公共スペース、さらに自分より上だと思える執着し難い人、甘えられない人しかいなければアウェイ。
空間支配を目論むことは困難、不機嫌な態度は表さなくなります。
そのため、不機嫌表現の対象・場所は重要視。
「執着できる、甘えられる、下である、自分の認知を広げられる(見て、認めて、かまってくれる)」
これらをしやすい人と空間を選びます。
自他の境界ぶち壊し作戦 解説
この作戦をお伝えすることが、ここでの主旨です。
不機嫌な態度をとる人への対処法がわかりやすくなりますので、作戦の解説を掘り下げていきます。
私達は自分のテリトリーやパーソナルスペースを持ち、自と他には境界線があります。
この境界線にのそのそと侵入してくるのが、すぐ不機嫌になる人の特徴であり心理の表れの基です。
いわば、自他の境界がなく、他者の領域も自分の中に入っていると思う(または思いたい)ため、いつでもどこでも自分のホーム、「はい、みんなは我が家にいるんですからね」という状態を作り、ネットを手繰り寄せます。
すると、緊張感も他者への配慮もなくなり、「不機嫌な態度を表してもかまわない」と思える甘えた状況になります。それが家や職場の慣れた空間。
さらに、自分のテリトリーに入ったことで空間支配が起き、その場は全て自分が中心だと認識します。
そこで、自分の思い通りにならないと、「なんでだよ、おかしいだろ、ここはうちん家だぞ!」と憤りやイライラが表れやすくなります。
この状態で自立がなく他責、執着して上下関係が主体で甘える様が露呈すると、不機嫌な態度にて利益追求、「私を見て、もっと知ってよ、ここに居るんだぞ、かまってよ、もっと理解しなさいよ」と表現します。
この表現力を拡大させるには、自他の境界をまずはぶち壊す必要があります。
言い方を変えると、ホームにするために他者との境界線をなくし、自らのテリトリーに入れ込める。
入れば完。
あとは思う存分不機嫌をまき散らし、ぶちまけて魚を捕る。
反応されれば利益がチャリンチャリン、不機嫌を表現する必要がなくなって終了。
今日も私として存在できたーと。
不機嫌な態度を表す人側目線の認識
相手から嫌なことをされれば不機嫌になるのは自然だと思います。
そのため、自覚ありきで不機嫌な態度をされれば、そこには、「責任とりなさいよ」という不機嫌にさせられた側の正当な思いが見られます。
ですが、そういった理由や原因がない場合、一方的に不機嫌な態度をとられると詳細がわからないので飲み込まれやすく、気付けば相手のテリトリーの中、気になってしまい、不機嫌な表現に干渉され、翻弄され、簡単に境界はぶち壊されています。
- 家での喧嘩をそのまま職場に持ってきて、会社の同僚や後輩の反応を使って納得
- 自分の不甲斐なさで仕事ができないために不機嫌、周囲の認知を貰って緩和
- 仕事量が多くて不機嫌、他者に注目してもらい、自己認知が高まり満足
- 思い通りにならないと不機嫌、「この空間は俺様のだ」と認識できる周囲の反応を得て不納得の解消
- ‥‥
この不機嫌な態度の表現、自立への認識が少しでも加わることで、不機嫌な態度で他者を利用している自覚が起きます。
そこで自立意識があればあるほどに、そんな自分自身に心地悪さや嫌悪を抱きます。
ですが、なかなかやめることはできなかったりします。
成功体験によって構成された自分がいるからです。
幼い頃から不機嫌な態度をとっていると、それによって周囲が気にしてくれ、甘やかしてくれ、中心だと思える関わりをされます。
それによって「自分」という存在を認知する癖が付き、自らを自ら認識する意識が薄れやすくなります。
自意識がない状態です。
他者の存在なくして自分が存在できなくなり、集団に執着しない状態に恐怖を感じるかもしれません。
不機嫌な態度をとっても周囲が反応してくれなければ、不機嫌さの真意である自己認知の他者利用が過激化することも起き得ます。
不機嫌になっているのに無視、「これでは利益が得られない」と思うだけではなく、「これでは自分が存在できない」と怖れを抱き、より表現を激しくして目立とうとします。
それでも無視、誰も反応を示さないと攻撃的になり、汚い口調を発したり、相手を批判したり、喧嘩でもします。
そのため、不機嫌な態度をとる人の対処には、その人の内情理解が最も重要だと考えます。
その上で、いくつか対処法がありますので、最後にご覧ください。
※不機嫌な態度をとられやすい方は、なぜ自分ばかり?怒られやすい人に潜む原因と改善│怒らせ上手になっているかも をご覧ください。

不機嫌な態度をとる人の対処法

対処法①:距離感を自ら保つ
一つ目は距離感確保。
不機嫌は本人がどうのように本人と関わるかの問題なので、関わらず距離感をとるに越したことはありません。
しかし、仕事上などどうしても関わらなければならないこともあると思うので、適度な距離感を自らが保持します。
そのためには、否定せずに肯定しながら関わりの適当な距離を図ります。
ポイントは、相手のために肯定するわけではないことです。
否定しない前提で自分の意見として相手を肯定し、相手に飲み込まれない距離感を見るためのものです。
※自分の機嫌を直す方法は、自分の機嫌は自分で直す。機嫌を直す方法は自分の機嫌をとらない?!をどうぞ。
対処法②:境界ぶち壊しをぶち壊す
ぶち壊す行為をぶち壊してやりましょう。
といっても、「やめろ、コノコノー!!」と戦う必要はありません。
相手のテリトリーに入れられないようにします。
これが最も適当で気楽な対処、一切相手の干渉を受けず、気にしなくなります。
これをするためには、「どうして、この人の不機嫌に私は翻弄されているのだろうか?」を自己認識します。
自らの行動や思考は自ら認識するというものです。
そのために、ここで相手の行為や目的や作戦を理解することが役立てば何よりです。
※不機嫌な人に怖い、苦手と思う場合は、テリトリー贈与してる?│機嫌が悪い人が苦手で怖い時に知りたい領域惨事 もご覧ください。
対処法③:「下」だと思われないようにする
空間支配を目論む人は上下関係、利益追求にて誰かが得して、誰かが損する認識の傾向があります。
そして、「下」だと評価した人には不機嫌さをぐいぐい押し付け、利益を得られる人からとにかく得ようとします。
そのため、「下」だと思われないことが重要です。
対処法となるのが、共感する様にて自分の確立を示すことです。
共感は自らを主体にしたまま相手に近付くため、常に自らのテリトリーや境界線は明確にしたまま関わり、上述①の対処法も演技でなく、自然な意見として気にかけた言葉を伝えられます。
同情ではないことがポイントです。
同情すると執着されます。
「良い人だ、認めてくれる人だ」と思われると甘えられる可能性があります。
共感ができるか否かが重要なので、自己理解を深めた上での方法です。
これができると相手からすれば上下関係の上になり、不機嫌な態度を表す対象ではなくなります。
同情すると、相手のテリトリーに入りながらさらに自らエネルギーを与えて奉仕する自己犠牲、疲れたり苦しくなってしまうので、それだけはしないように注意されてください。
※同情の危険性は、エネルギーを奪う人の特徴と真意│人の幸せを奪うこと をどうぞ。
対処法④:叱る
最後の対処法は怒らずに叱ります。
こちらも共感と同様で、叱れるかどうかがポイントです。
怒りにて不満や自己内部を表現するのではなく、叱る場合の焦点は完全に相手、不機嫌な態度をとる人です。
そのため、相手のためになる指摘や意見を持ち、相手のために説教します。
怒りは不機嫌な人をより不機嫌にさせ、より注目を集める表現と境界ぶち壊しが激化し、周囲にも迷惑が拡大されるため、怒りはご法度。
相手を大切に想い、敬う気持ちを持って、誠意を持って叱る。
すると、本人にとって行為を自覚する一助となり、「職場では不機嫌にならないようになろう」「家族の前では抑えよう」と本人なりの努力に向かってもらえる対処です。
以上が対処法でした。
※職場での対処話は、職場の嫌いな人には話さない?対応は無視以上に距離感創作がおすすめ をどうぞ。

あからさまな不機嫌な態度 まとめ
不機嫌な態度が問題視される人のキーワードは、「自他の境界」です。
私は男性だらけの職場で働いていた経験がありますが、女性だらけの職場で働いていた時、女性特有の不機嫌な表しを知りました。
女性の割合が多ければ多いほど、女性は不機嫌な態度をとる傾向があり、ここに男性が一人いるだけでも違うようで、私はなにかとアイテム的に使用されていました。
「女子高なんて大変そー」と勝手に思っていたものです。
そんな職場のフロアには何百人も従業員がいたので、歩くだけで、「あ、この人不機嫌」「あ、あの人も今日は不機嫌」と明確で、腫れ物を触るようなことが何度もあったため、平和的に生き延びるためにも不機嫌な態度の理解は必須でした。
そこで理解した不機嫌には、自他の境界と上下関係にある執着と甘えがあると気付き、「自らを下にしない、させない、認識させない」が何よりもはっきりした対処法でした。
自然と人との関係が上下関係で利益有無を認識する状態が人それぞれにあり、不機嫌な態度をとる人は対等な関係を気付いたことがない(その認知がない)人が多いように思えます。
人を上、下で認識していると、自他の境界は自らが占有して支配しようとすることが平然とおき、見えない領域でのやり取りが激化します。
他責の様は自覚がとにかくないため、自覚を促すことも大切ですが、自らを保持して管理する余裕がない人もいるため、他者を干渉したり否定することは不機嫌の助長となり、最後は爆発しかねません。
いろいろ勉強になりましたが、私の理解では如何に自らを立たせて不機嫌な人との同じ空間を過ごせるかが、何より自分のためになる対処だと考えます。
テリトリーに侵入されず、境界線を壊させない関わり、無視だと思われず、「下」だとも思われない、それが自らを立たせる自信に自責の自立です。
不機嫌な態度には明確な意図と目的と作戦があるため、相手を知ることで対処を容易にしていければ何よりかと思います。
自らを護り、高める内容となることを願います。
それでは、私は不機嫌解消ネットを開発して、選挙活動でもしようと思います。
「女性の職場に平和をー」
「男性ちょっと入れろー」
「でも、その男性の配慮も考えろー、自力で生き抜くの大変なんだぞー」
「あからさまな不機嫌な態度の人に愛の手をー」
こちらから漁を始め、自他の境界線を変えてやりましょう。
やり過ぎると他の境界線を自ら引き延ばし、自分のテリトリーを消しちゃう人も。
「不機嫌なのって自分のせいかもしれない」
人間って難しいー。
ほどほどに。