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【チベット人僧侶から学ぶ聞く力】聞き上手は自分の話をしないの?

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「この人、楽しそうに人の話を聞くなぁ」

そんな感心を抱く人、稀にいると思います。

「聞き上手」と言われる人には素敵なイメージがあり、社交性があり、社会的に大正解花丸に思えます。

そんな素敵な在り方には自分の話をしない人と、する人がいます。

一体何が違い、どちらが聞き上手なのか、気になるところ。

ここでは、自分の話をする・しないが聞き上手にどういう影響を及ぼすかお伝えします。

  • 聞き上手は自分の話をしないのか知りたい
  • 傾聴力の本質について考えたい

チベット人僧侶の方々と一ヵ月間過ごしながら、気づくことがありましたので共有します。

聞き上手には良いも悪いもありませんが、何をもって聞くのが上手なのかを考えるために、一つのご参考になれば幸いです。

聞き上手:自分の話をしない人とする人の違い

自分の話をしない聞き上手:接待上手

自分の話をしない聞き上手にはタイプがあります。

自分の話をしない聞き上手のタイプ
  1. 相手の詮索
    ・・・根掘り葉掘り質問攻め
  2. 対人不安・恐怖症
    ・・・自分の話をしないために相手の話にフォーカス
  3. 回避性依存
    ・・・リスクカット、情報を出さず、相手を把握して不利益懸念をなくす、スパイ活動
  4. 完璧主義
    ・・・ルールの思い込み、相手に話させてあげることで自己評価を高める
  5. 優しすぎる
    ・・・一方的に愚痴や文句を聞かされる自己奉仕、自己犠牲
  6. 同情する
    ・・・感受性が高く、感情移入しやすく、相手に合わせる、従順性が高い

タイプ毎の目的はバラバラですが、全てに共通しているのは相手によく喋らせること

自分の話をしないタイプは接待上手と言えるかもしれません。

喋らせるために相手の硬直を取り、口を軽くさせる必要があり、「もっと自分の話をしたい」と思わせます。

陶酔させるほどの力がある人もおり、気づけば手のひらで踊らされ、ペチャクチャしちゃうなんてケースも。

話す場合は質問された時、またはより人の話を引き出すために簡素にチョロッと出す程度。

徹底的に他者に話してもらうためにも、自分語りは極力ゼロが望ましいため、相手が求めているものを先読みして見抜く力があります

とにかく話してもらうことに徹底しており、賛辞やお世辞、わかりやすい笑顔や笑い声、肯定やわかりやすい相槌、賛同や同情、質問や依頼が傾向として目立ちます。

「それってどういうこと?」
「お願い、教えて、もっと聞きたい」
「うんうん、それは素敵な考え方だね」
…etc

 

[自分の話をしない聞き上手=話させるのが上手な人]

実際に聞き上手と話していると、まるでフルートを吹かれながら自由にスピーチしていいような、心地良さを味わいながら能弁を垂れ流して満足感を得れます。

「そうなの?!それでそれで、ブランコから靴飛ばしたらどうなったの?」
「足をビュンとやった勢いで体ごと飛んじゃったんだよ」
「ヒャー、何それー!どうしよう!ケガしちゃったんじゃないの??」
「え、(本当は勢いが弱くて何もなかったけど、盛っちゃうか)そりゃもう大変でさ…」

自分の話をしない人は、聞き上手と言うよりは話させ上手と言えるかもしれません。

インタビュアーを始め、バーテンダー、ホステスに多い、そんなイメージです。

話させ上手はリアクションが良く、こちらの話したい気持ちを誘発かつ延長させます。

相手を喜ばせ、嫌なことを忘れさせ、不機嫌を解消させ、ストレスを発散させます。

タイプによっては我慢強い人でもあり、不機嫌な人のイライラに付き合ってあげて、同情して頷いてあげることで、自分のことしか考えない人の我欲の発散の手助けにも貢献します。

話させ上手は人に利益を与え、不利益を解消させるため、世の中で重宝される価値そのものです

忍耐強く、知性高く、理解力があり、人の思惑や意図を汲み取りながら、自らも思惑や意図を持ち、裏方に回ることで相手に利益を与えながら、自らの不利益をなくします。

さらに、多くの情報を得ながら自らの情報を与えなければ、相対関係において主導権を握りやすく、相手を把握する手法にもなります。

これを意図するかどうかはタイプによって変わりますが、長い目で見ると自分の利益にもなり、先読みする知的な人ならではの人間関係の在り方だと考えられます。

 

自分の話をする聞き上手:相互交流に長けている

かたや、自分の話をする人は常に相互が交流し合う状態を作ります。

ホステスがクラブのママになる、なんてイメージです。

そんな人にはこのような特徴があります。

自分の話をする聞き上手
  1. 相互交流を創作する
  2. リーダー気質(相手側の目線で物事を認識する)
  3. 差別をしない平等意識
  4. 理解力と共感力が高い
  5. メタ認知(俯瞰性)が高い
  6. 自制力と調整力が高い
  7. 人の気持ちに寄り添う
  8. 承認欲求と不安が少ない
  9. 誰しもの話を聞きはしない

自分の話をする聞き上手は、共感し、理解し、会話を完成させる共同を作ります。

お互いが向き合う状態を作るために、差別なく、平等な目線で、相手を喜ばし、自らも喜ぶために会話します。

注目は他者の求めているものを一緒に叶えながら、自分は嫌で苦しい思いをしない工夫

話の内容もさることながら、相手が話す意図や目的に含まれる気持ちをより尊重し、会話に求めている真意を見つけて一緒に叶えようとします。

「自分だけ苦しい」とはならず、穏やかに話を終わらせてその場を離れるなど、自分を大切にすることは忘れません

誰しもと交友を深められる訳ではないので、聞き上手は聞かない上手でもあり、すり替え上手でもあり、一方通行の関わりや勝手な利用行為をさせない上手です。

一方的に聞く、話させることもしますが、もしそれが相手のためにならないと見抜けば、制止するのもいといません。

イメージは、アル中がお酒を飲むのを見続けたり煽るのではなく、「あなたの体のために飲むのをやめましょう」と言う制御機能も担っている。

お互いがお互いを向き合う会話を作るために、理解力、共感力、先見性、俯瞰性を始め、一緒にゴールを目指すためのリーダー性と創作力が目立つ特徴です。

 

会話例:自分の話をする聞き上手

上述の特徴に該当する人の会話はこんな具合です。

「実はうちの会社潰れそうなんだ」
「そうなのか、何があったの?」

「息子に社長の椅子を奪われそうで、派閥ができてしまったんだ」
「継承とは違うの?年齢的にそれもありだと思うけど」

「まぁね、ただ私が苦労して一から作ったものを継がせるだけだと、彼はなんにも作らず、それに気づくこともなく過ごす可能性がある」
「利益ではなく、人としての成長を望むってことかい?」

「そう、本当は高校卒業したら家から放り出したかったんだけど、妻が許さなくてね」
「たしかに私たちの世代ではその考え方は重要だよな、私は中学生から新聞配達してたから、ああいう経験が奪うのではなく自ら作り出す力になってるな」

と会話が続いていき、相手の意見と自分の意見を共有した話し合いができます。

違う会話例がこちら。

社長が社内を巡って社員と会話する場面です。

「ちゃんとご飯食べてる?」
「はい、食べてます!」

「それは良かった、うちの社食メニューはどう?」
「おいしいと思います」

「そうか、私はもっとあっさりしたのがいいけど、やっぱガッツリ肉系はあった方がいいと思う?」
「そうですね、お肉があると午後も張り切っていけます、あ、でもあっさりも重要かと…」

「そっか、両方あったらいいもんね、あ、時間だ、それじゃあもし他にも意見あったら教えてね」
「はい、ぜひそうします!」

相手の意見を聞くために相手側の心理状態(緊張してるなど)に合わせながら、自分の話も混ぜ込めます。

一つの答えへ向かうために、相手の心情を尊重しながら二人での協力体制を作るイメージでして、会話に創作性があるのは特に目立つ特徴です。

 

体験談:聞き上手の本質

聞き上手は自分の話をする

両者の違いで見逃せないのがこちらです。

タイプ別聞き上手の違い
  1. 関係性の浅深
  2. 傾聴力のレベル

①関係性の浅深

自分の話をしない場合、関係性は浅くなります。

浅い関係でも幅広くさまざまな人々と関係性を持ちやすくなります

自分の話をする場合、関係性は深くなります。

その上、自分の話をするとダラダラと相手に話させ続ける不毛な時間をなくせるため、関わりを広くするか狭くするかは選べる自由度があります。

どちらも状況や環境次第でデメリットとメリットが変わるので良い悪いはなく、人それぞれの使い様、目的が重要になります。

例えば、ビジネスや上下関係、またはそれほど深く関わりたくない職場や上っ面の人間関係の場合、自分の話をしない聞き上手はメリットが増えます。

一方、夫婦やパートナー、友達や家族など深く関わりたい人間関係の場合、自分の話をする聞き上手はメリットが増えます。

「そもそも何のために人と関わるの?」に対する答えによって、どちらが合って、適しているかも変わるため、どちらも重要な聞く力として作用します。

 

②傾聴力のレベル

傾聴力、いわゆる聞く力のレベル高低には大きな差がでます。

自分の話をしないよりも、自分の話をする人の方が傾聴力が高いです。
※実際には比べ物にならないほど違います

どう違うのか体験から洞察しましたので、詳細をご覧に入れます。

 

聞く力の本質:チベット人僧侶との暮らし体験

私がインド北部のチベット寺院で、一ヵ月間宿泊させていただいた時のことです。

子供から老人まで年齢構わずさまざまな僧侶が住んでおり、私はよく僧侶と仏教や哲学の対話、そして議論をしていました。

チベット仏教では議論は重要な修行プロセスの一つであり、理解を深める学びと考えられており、一つの疑問を追求し合うのを好みます。

しかし、全く話さずに聞くだけの人もおり、さまざまにいます。

私がよく話していた僧侶の一人は、自分の話をする聞き上手でして、はっきりした特徴がこちらでした。

こちらの話をまず全部聞いてから自分の意見を話し、疑問や提起を含めて会話を広げ、一緒に答えへ向かおうとします(違う意見であれば主張せずに保ち、曖昧にはせずに共通性を見出したりと工夫があります)。

例えばこんな会話がありました。
※内容は重要ではないのでサラッと流されてください

私:「自分という個の実体はないと思うんだ」

僧侶:「どうしてそう思う?」

私:「赤ん坊のように他がいることで自がいると見る、すると自を知るには他を知るのが先。でもこの世では他を知るために自という認識基盤が必要だから、自がいないと他が見れない、これが赤ん坊卒業後の見方」

僧侶:「うんうん」

私:「例えば怒る時、他がいないと怒っている自がいない、でも自がいると思う意識があると怒っている自が見える。すると基準になるのは怒っている自がいるのではなく、怒っている自を見たい欲や意識」

僧侶:「うんうん」

ここで一旦止めます。

この会話で初めに着目したいのは、「何を訳の分からないことを言っているんだ」がないことです。
好きな歌手の話をした時、知らなくても会話に乗ってくれるのと同じです。

再開します。

私:「これを前提にするとそもそも感情は存在せず、あるのは他を認識する欲や意識(記憶)。だから自分を見るって考え方以上に、他を見る方が現実を生きていることに近くなると思うんだよね、例えば葉っぱを見続けるとか」

僧侶:「なるほど、そうすると自分のことは自分にしかわからないって考え方はなくなる?」

はい、ここで止めます。

聞き上手はこちらの求めていることに合わせながら、さらに内容を深めるポイントを付いて疑問提起します。

「それってどういうこと?」ではなく、自分の意見を含めながら、「それってこういう方向性?その考え方って色にするとピンク?」みたいに道を広げたり作ってくれます。

再開します。

私:「なくなると思う。自そのものが元々ないと他との複合で自は見出すから、他の意識や繋がりが自を見出すことになる」

僧侶:「ふむ、私は自分のことは自分が一番わかると思ってる。この自分を私以上に知っている人がいるとは思いにくい。ただ自分がないという考えならわかる」

ここで終了します。

自分の話をしてくれたため、会話はここからさらに深く入っていきました。

自分の話をしてくれたことで気づいたのが、「この人は私を知ろうとしてくれている」でした。

「話を理解している」ではなく、私そのものを知ろうとしているさまです。

会話の内容も時には重要ですが、それ以上に相手を理解したい気持ちや意志がコミュニケーションを一方的ではなく相互交流にシフトさせ、お互いの繋がりと創作を高める働きになりました。

 

聞く力とは:人を知りたい気持ち

経験から理解したのは、聞く力が高い人は相手を知りたいと思ってくれていることでした。

自分の話をしないことに何も悪い点はありませんが、実際に聞く力のある人と関わると、会話そのものがある状態に変わるので、違いがはっきりわかります。

『繋がり合い、作り合い、共同作業』

「あぁ、今、同じ方向に向かっているな」という感覚になります。

そしてもう一つ明確なさまがあります。

 

聞き上手な人ほど対話中に何も求めない

私たち人間は聞くより話すことを好むと知られています。

話す(発散する)方が欲を満たせますし、聞く方が疲れるので当然のさがだと思います。

自分の話をする聞き上手は欲を満たす(または損害を回避する)ために話しておらず、相手を理解するための前提条件である平等を作るために話します。

そのため、お世辞を言ってくれません。

賛辞という飴玉をくれない、ご機嫌取りをしてくれません。

しかし、一緒に創作して、尊重や協調という愛をくれます

「今日はいい天気だね」に対して、
「そうだね、あなたの心がそう見せているのかもね」と言ってきます。

聞く力がある人は、他者に対する受け入れスタンスがあり、他者認識力の高さ、メタ認知の高さ、そして何より創作性があります。

聞き上手が自分の話をするのは、「この人との繋がりを見つけ、作ろう」とするから、という考え方です。

 

最後に:聞き上手は使い様

自分の話をする聞き上手は関係性が深くなり、傾聴力が高いです。

が、場合によっては当たり障りなく、かつ円滑に事を運ぶために自分の話をせずに人の話を聞き、相手を喜ばせる必要もあると思います。

聞き上手のタイプの違いは、時と場合によってどちらにもメリットとデメリットがあり、使い様が重要だと思います。

ただ、本質的な聞き上手は明確に自分の話をする方だと考えます。

そこには人を想い、自らも想う気持ちがあります。

全ての根底には愛があり、自分と他のバランスがあるからこそ、人の話を聞きながら自分の話をするのだと思います。

「私ってプーマなんだ」と言う人に対して、

「そうなんだ、それは素敵だね、ところでなんで?」と聞くか、

「そうなんだ。私が小学生の頃、自分はカメレオンだって感覚があったんだ、でも今は消えちゃった。もしかしてそれに似てるのかな?」と聞くか。

聞く力の本質として、その人を知りたいと繋がりを作る気持ちによって、自分の話をするというお話でした。

理解のお役立ちとなれば幸いです。

最後までありがとうございました。

『心理とスピリチュアルの学び場』

誰しもに人生を変える機会と選択があると信じています。

著名な心理セラピストとして知られる、西澤裕倖(にしざわひろゆき)先生プロデュース。
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※これは長期的に本気で変わりたい方専用です。

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